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- 悪魔の細菌
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超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い
中央公論新社
ステファニー・ストラスディー トーマス・パターソン テレサ・H・バーカー 坪子理美- 価格
- 3,520円(本体3,200円+税)
- 発行年月
- 2021年02月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784120054037
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超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い
中央公論新社
ステファニー・ストラスディー トーマス・パターソン テレサ・H・バーカー 坪子理美
[BOOKデータベースより]
ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌に感染した夫。絶望の中、妻は論文を読み漁り、忘れられた治療法を見つけ出す。スーパーバグを「食べる」ウイルスの大捜索が始まった!最大の致死性を持つ超多剤耐性菌「スーパーバグ」との格闘。
第1部 死を呼ぶヒッチハイカー(不意打ち;脅しの空気 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 「ESKAPE」からは逃げられない(帰宅;多剤耐性菌 ほか)
第3部 完璧な捕食者(毒をもって毒を制す;完璧な捕食者 ほか)
第4部 進化のダンス(ブラッドオレンジの木;真実の瞬間 ほか)
か弱い細菌ごときの策略に引っかかるなんて、思ってもみなかった。
私は大陸を股にかけて殺人ウイルスを追跡し、AIDSに対する戦争を仕掛けてきた。ある時は戦いの最前線に立ち、ある時は世界規模での政策立案に携わる人々と議論のテーブルを囲みながら。そう、ウイルスは恐るべき存在だった。では、細菌は? 大した敵ではない。少なくとも、この細菌は恐れるに値しない相手のはずだった。
私は感染症を専門とする疫学者だ。アメリカの大きな大学で国際保健研究所の所長も務めている。他の誰でもなく私こそ、この細菌から自分の夫を守ることができてしかるべきだった。最後にこの細菌を見たのは、大学院に入る前の学部生時代のことだ。私たち学生は、研究室での初歩的な実験で、この細菌を気軽に扱っていた。いつの日か、この細菌の変異体がお前たちを死の淵に追いやり、お前はそのうち、殺し屋ウイルスの大群を注射して夫を救おうとする……。当時、誰かにそう言われていたら、私は相手の頭がおかしくなったのかと思っただろう。だが今、私たちはまさにその言葉通りの状況を迎えていた。 ――本書より