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[BOOKデータベースより]
緩和医療はもっとできる!症状緩和に役立つ治療法がこの1冊に。
第1章 難しい症状の緩和に役立つ治療法(薬物療法;神経ブロック;放射線治療 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 その難しい症状、どう緩和する?(痛み;痛み以外の症状)
第3章 こんな難治例、エキスパートはどう対処する?(やっぱりメサドン;μオピオイド+dual action analgesicの併用療法で鎮痛の質を高める;「座ると痛い!」に仙骨硬膜外エタノール注入法 ほか)
薬物療法のほか,従来のガイドラインやテキストではあまり記載されてこなかった神経ブロックや放射線治療,IVRなどの非薬物療法まで,一歩進んだ緩和ケアのアプローチを包括的に紹介.フローチャート化された症状別の治療戦略,難治例におけるチャンピオンケースを読み進めることで,“標準治療でうまくいかない場合の次の一手”が身につく.各専門科のエキスパートによる実践知と工夫を結集し,緩和医療の可能性を広げるヒントとなる一冊.
【書評】
「IVR医を含むエキスパートが緩和医療における難治例への対処法を詳細に解説!」
がん緩和医療においては,症状緩和をすることが困難な症例にしばしば遭遇する.緩和医療は,緩和ケア医だけがするものではなく,がん治療医,放射線治療医,精神腫瘍医などのエキスパートが総合的にチーム医療として行うことが望ましい.また,IVR(画像下治療)が緩和医療の領域で果たす役割は大きい.本書では,エキスパートであるIVR医が編集・執筆陣に加わっており,その点で,読み応えのある教科書であるといえる.
とくに難治例への対処法については,エキスパートによる治療例として,実際の症例をあげて記載されており,現場で困った際に大変参考になる.難治性疼痛に対するくも膜下鎮痛法や,放射線治療としての,全肝照射や全脳全脊髄照射,心臓腫瘍に対する照射,指転移に対する経カテーテル動脈塞栓療法(transcatheter arterial embolization:TAE)などは,エキスパートでないと施行できないが,このようなアプローチがあることを知っておくことも大切である.一方で,このようなアプローチは,症例ベースになりがちで,エビデンスが確立されていないものが多いため,欲を言えば,個々の症例に対しては,一つの方法だけではなく,さまざまなアプローチが求められ,なかでもチーム医療によるアプローチが必要となることを強調してほしかった.また,エビデンスが不足している点を,どのように患者に伝え,患者に納得していただくかといった点を含めて紹介してほしかった.これらは,本書の今後に期待したい.
本書は,難治症状に対するエキスパートのアプローチとして,さまざまな処置について詳細に記載しており,現場で非常に役に立つ書であるといえる.緩和医療において,現場で問題になることは,強い症状を患者が訴えているにもかかわらず,適切なアプローチがなされぬまま放置されてしまうことであると思われる.本書によって,さらに進んだ薬物療法,放射線治療やIVRによるアプローチがあることを知っていただくことで,一歩進んだ緩和医療が広がり,より多くのがん患者の苦痛軽減につながることを切に願う.
臨床雑誌内科131巻4号(2023年4月号)より転載
評者●日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 教授 勝俣範之