[BOOKデータベースより]
テントの中で目をつぶると、自然や生き物の気配が近づいてくる。―渓流、大風、木の葉、ヨタカ、イヌ、ネコ、ニワトリ、ブタ、ネズミ、コウモリ、カエル、トカゲ、ガ、セミ、クモ、キリギリス。奥行きのある空間へと私は融け込んでいく。そんなふうに眠る…。村びとは、習慣的に、熱帯林でとれる旬のものを食べている。彼らは、人間がことさら意識しなくても、栄養のバランスが一年単位で保たれることを、経験的に知っているのかもしれない。「大船に乗っている」とは、栄養については、周囲の山々に頼りきって安心しているということなのだ…
1 “シンプルに暮らす”…衣・食・住の知恵
2 “森を大事にする”…環境と伝統の継承
3 “助け合って働く”…今日の生業と交通
4 “外の世界と折り合う”…「独自性」の展開
5 “自立心を養う”…子どもとコミュニティ
6 “恋人たちは考える”…規範と自由のはざま
7 “訪問者は体験する”…山村への加入儀礼
「テントの中で目をつぶると、自然や生き物の気配が近づいてくる。――渓流、大風、木の葉、ヨタカ、イヌ、ネコ、ニワトリ、ブタ、ネズミ、コウモリ、カエル、トカゲ、ガ、セミ、クモ、キリギリス。奥行きのある空間へと私は融け込んでいく。そんなふうに眠る」
北タイで2008年から10年以上ボランティア活動をしてきた「元欧米志向」青年のエッセイです。驚きの連続の先にあったのは? よほど居心地が良かったのでしょうか、青年はこの谷の自然と人にすっかりまいってしまいます。
魅力的なイラストとあざやかな写真、おしゃれなデザインはアジア・エッセイのイメージを一変させます。