[BOOKデータベースより]
廃業寸前の写真家が寄席演芸に救われた30年の記録。気鋭のホープから当代きっての人気者、匠のベテラン、古の名人、レジェンドまで。あの日あのときの瞬間を“切り撮った”、唯一無二なる演芸写真家ならではの真摯な一葉と慈愛に満ちた逸話の数々。
三十年前、この楽屋からはじまった
落語家の肖像〈壱〉
落語家の肖像〈弐〉
橘蓮二プロデュース公演
講談師は語る
落語家の肖像〈参〉
唸る浪曲師
色物さん
落語家の肖像〈四〉
あの日の一枚
橘蓮二さんについてのわたくしの正しい批評―さだまさし
演芸写真を撮り続けて30年の集大成
1989年、パルコ・ギャラリーが主催する『期待される若手写真家20人展』に選出され、気鋭の写真家に数えられていた橘蓮二さんですが、その後、自らの道を見いだせなくなっていました。そんなときに出会ったのが寄席演芸の世界です。
「この世界こそ、自分の生きる場所だ」。そう直感した蓮二さんは、上野鈴本の席亭に直談判して、楽屋や高座の撮影の許可を得ます。1995年のことで、先代小さんも志ん朝も健在でした。
以来、落語をはじめとする演芸の世界を撮り続けて30年。あえて舞台袖から撮ることで、暗いバックのなかに演者の孤独と気高さを浮かび上がらせる。蓮二さんの手法は落語ファンのみならず、演者からも大きな信頼を得ています。
本書は、蓮二さんの、演芸写真を撮り続けて30周年を記念する写真集です。30年前の上野鈴本の楽屋から、志の輔、一之輔、神田伯山、桂二葉ら旬の演者まで、蓮二さんが切り取ったそれぞれの表情を主体に、蓮二さん本人のエッセイを随所にはさんでいます。
蓮二さんが創りだした演芸写真の世界と、蓮二さんの演芸愛を堪能できる写真集です。
【編集担当からのおすすめ情報】
演芸の世界に出会い「これが自分の生きる道」と直感した蓮二さんですが、その思いは写真にも表れています。暗いバックにライトを浴びて浮かび上がる演者の背中。そこには演者の孤独が刻印されています。
落語も講談も、たった独りで演じる芸。どんなに拍手喝采を浴びようとも、上がる時は独り、下りる時も独り。「この世界を独りで生きていく」という演者の想いに、蓮二さんは、自身の想いを二重写しにしているのではないでしょうか。
ご本人は「そんなんじゃねえよ」とおっしゃるかもしれません。これは担当者の勝手な思い入れです。
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