- 関和知の出世
-
政論記者からメディア議員へ
近代日本メディア議員列伝 3巻
- 価格
- 2,970円(本体2,700円+税)
- 発行年月
- 2024年03月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784422301037
[BOOKデータベースより]
普選導入で大衆政治が本格化する趨勢を先読みし、“憲政会の闘将”として聴衆の耳目を集めた関和知にメディア議員の祖型を探る。
序章 メディア議員とは何か
第1章 政治的拠点としてのメディア
第2章 アメリカ帰りのジャーナリスト
第3章 改進党系の若手代議士
第4章 早稲田の人的ネットワーク
第5章 閥族打破から国民教育へ
第6章 憲政会幹事長の政治演説
第7章 普通選挙運動における「独立の生計」
第8章 憲政会総務のメディア・パフォーマンス
第9章 第二次憲政擁護運動と国民の政治参加
終章 メディア議員のゆくえ
関和知(1870〜1925)は、東京専門学校(現在の早稲田大学)で人的資本を蓄え、卒業後は郷里・千葉で『千葉民報』記者となるもほどなく廃刊。自ら立ち上げた『新総房』で政論にジャーナリズムの効果を加え、千葉県改進党系のホープとして認知されていく。周囲に押されてイェール大学に進学、のちプリンストン大学に転じてウッドロウ・ウィルソンの講義を直に聴講するなどして学位を取得。帰国後に『萬朝報』の記者、ついで『東京毎日新聞』の編集長に就任し、第10回衆議院議員総選挙補欠選挙に当選。以後7回の当選を重ね、加藤高明内閣では陸軍政務次官に就任した。普通選挙の導入によって、「世論」を喚起し力に変え、政論を執筆し「輿論」形成に努める、二面性をもった大衆政治が本格化する趨勢を正確に捉えてパフォーマンスに徹した関和知を通じて、メディア議員の本質に迫る。
〈近代日本メディア議員列伝〉
明治から戦後にかけて〈政治のメディア化〉を体現したメディア議員を取り上げ、一人一冊で深掘りする、佐藤卓己氏単独編集による完全書下ろしの新シリーズ。国会議員がこぞってSNSで発信し続ける現代政治への向き合い方に自省を迫る、これまで無かった人物列伝。
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