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[BOOKデータベースより]
キルケゴールの声に耳を澄まし、それが発散する音階を聴き取る。読む者自身が、そのトーンと語調で歌ってみること、それは、底知れない逆説に耐えつつ、神と対話する道だった。これ以上にはない、一筋の闘いに、なんと柔和な笑みが浮かんで…。絶望とは、精神の階梯、「神」に目を向けた人間の避けて通ることの許されない道程なのだ。無神論やニヒリズムの祖型の一つとされ、実存哲学の源に据えられた思想家像の虚構性を問う。『死にいたる病』のすべての行文と対話する、中島=キルケゴールの独自な彫像。
序章 死と原罪―「緒言」を読む(ラザロは死にたり;この病は死にいたらず ほか)
[日販商品データベースより]第1章 絶望の諸相と死―第一篇 死にいたる病とは絶望のことである(絶望は精神における病、自己における病であり、したがってそれには三つの場合がありうる。絶望して、自己をもっていることを自覚していない場合(非本来的な絶望)。絶望して、自己自身であろうと欲しない場合。絶望して、自己自身であろうと欲する場合;絶望の可能性と現実性 ほか)
第2章 絶望の秘密―B この病(絶望)の普遍性(「不安」という概念;絶望していないこと ほか)
第3章 意識と絶望1―C この病(絶望)の諸形態(絶望が意識されているかいないかという点を反省せずに考察された場合の絶望。したがってここで綜合の諸契機のみが反省される)
主著『死にいたる病』と《てってい的に》付き合うこと、それは、青春を呼び出して、そこで生きることだった。死ではなく、永遠にいたる道、逆説でしか語りえないその歩みには、なんとユーモアが寄り添って……キルケゴールの声を聴き、それが発散する音階を聞き取る。読む者自身が、そのトーンと語調で歌ってみること、それは、底知れない逆説に耐えつつ、神と対話する道だった。
絶望とは精神の階梯、「神」に目を向けた人間の避けて通ることの許されない道程なのだ。無神論やニヒリズムの祖型の一つとされ、実存哲学の源に据えられた思想家像の虚構性を問う。『死にいたる病』のすべての行文に耳を澄ます、中島=キルケゴールの思考のドキュメント。