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[BOOKデータベースより]
東郷平八郎や山本五十六ら聯合艦隊司令長官は、時の海軍大臣よりも著名な「英雄」であった。臨時組織に過ぎなかった聯合艦隊は日露戦争の栄光を引っ提げ常置されるものとなったが、その「精兵主義」「海上本位主義」は次第に現実と合わなくなり、太平洋戦争中には陸海軍の作戦指導の分裂の原因となる―。本書は今まで海軍戦史の一部分でしかなかった聯合艦隊を政治史や外交史、そして社会との関わりに注目して描く初の通史である。
第1章 誕生―明治・大正期(日清・日露戦争―伊東祐亨と東郷平八郎;ワシントン軍縮会議の衝撃―竹下勇 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 成長―昭和戦前期(美保関事件―加藤寛治;第一次ロンドン軍縮会議―山本英輔 ほか)
第3章 栄光と没落―戦時(中央集権化と独断専行―山本五十六;艦隊決戦をめぐる矛盾―古賀峯一 ほか)
終章 海の「関東軍」(聯合艦隊という権威と理想の誕生;強化される「権威と伝統」と現実との矛盾 ほか)
誰もが知る「聯合艦隊」初の通史。
東郷平八郎や山本五十六ら聯合艦隊司令長官は、ともすると海軍大臣よりも一般に名の通った存在である。
では、聯合艦隊とはどのような「組織」で、どのような役割を果たしていたのか。
本書は、本来、戦時や演習時に必要に応じて編成される臨時の組織に過ぎなかった聯合艦隊が平時に常設されるようになり、海軍の象徴として政治的にも大きな存在となりながら、次第に戦争の現場に合致しない組織となっていく過程を、鍵となる司令長官の事例を軸に説き起こす。