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[日販商品データベースより]
消化管疾患の検査・診断に必須なモダリティである消化管内視鏡を用いた,存在診断・質的診断・範囲診断を確実に行うためのトレーニングを紙上で再現.内視鏡医が白色光下における肉眼的所見を手掛かりに診断を行う過程をアルゴリズムにして提示.所見ごとの代表的な疾患を取り上げ,鑑別に必要な知識を整理した.これから内視鏡検査・診断に携わろうとしている研修医や専修医の診断能力を高めるのに最適な一冊.
【書評】
消化管疾患の診断学は,X線診断の時代から内視鏡診断の時代になった.内視鏡診断は,ファイバースコープの時代から電子スコープ,そしてハイビジョンの時代,さらに今後はAIの時代になることが予想される.観察方法は白色光観察,色素観察,narrow band imaging(NBI)に代表される画像強調観察(IEE),さらに拡大観察までさまざまである.消化器内視鏡医としては,病変の発見,鑑別診断においてどの方法を用いることが最も有用であるかを知っておくことが重要である.
このたび,山本頼正先生,福澤誠克先生,菊池大輔先生,野中康一先生,小野敏嗣先生の共編で『診断力UP!アルゴリズムで読み解く消化管内視鏡』が発刊された.消化管内視鏡診断は,内視鏡所見の微妙なニュアンスを文字や言葉だけで伝えることは難しい.本書は多くの内視鏡写真とイラストを適時に挿入することで,そんなギャップを埋めている.本書を開いていただければおわかりになると思うが,一つひとつ文字を追わなくても,大事なポイントが理解できるように工夫されている.イラストや写真をみるだけで,スーッと頭に入るヒントを得ることができる一冊である.さらに各臓器別に総論の部分で解剖的な基礎知識,観察時の工夫,各学会のガイドラインにも触れ,その後に隆起性病変と平坦または陥凹性病変に分類したうえで,各々に鑑別診断のポイントとアルゴリズムを紹介している.コンパクトながら咽頭から大腸まで必要なすべてが盛り込まれていることは素晴らしい.この一貫したスタイルで各章が有機的に成り立っている.初心者はもちろん,エキスパートな内視鏡医にも参考になる内容と思われる.
以前は,食道・胃・大腸の観察であったが,最近は咽頭および十二指腸の観察も内視鏡医に要求される.咽頭では,われわれ内視鏡医が苦手な解剖をわかりやすく文字を入れた内視鏡写真を提示し,診断に関しては慣れ親しんでいる食道との違いを中心にわかりやすく解説している.さらに十二指腸では,内視鏡治療の適応となる腺腫・癌ばかりでなく,これまで経験したことがない悪性リンパ腫,神経内分泌腫瘍(NET),消化管間質腫瘍(GIST),転移性腫瘍まで提示されるとともにアルゴリズムによる診断もある.
意欲的な内視鏡医が,本書を購読いただき消化管内視鏡診断を習熟して,世界中で活躍することを願っている.
臨床雑誌内科130巻1号(2022年7月号)より転載
評者●東京医科大学消化器内視鏡学 主任教授 河合 隆