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[BOOKデータベースより]
本書は、学術出版界の黄金期とも言うべき1960年代から90年代にかけて東京大学出版会で歴史学関連の編集を中心に活躍してきた渡邊勲氏が、自ら手掛けた37人の著者に現時点で自著をどのように見ているのか、忌憚のない意見や感想を執筆してもらったものです。執筆のきっかけや問題関心、史料探究の苦心、そして当時の学界状況や政治・社会との緊張関係など執筆を取り巻く多彩な環境の中で、書物は如何に誕生したのか。さらに学界で受容されていく経緯やそれへの応答、そして今日における位置づけなど書物の運命にかかわる多くのエピソードが語られています。巻末では編集者により、書物の時代背景や具体的な事情が紹介され、書物誕生の姿が伝わってきます。
第1部 一九七〇年代の「仕事」(頭は「中道」、心は「アカ」で書いた『明治憲法体制の確立』(坂野潤治);書かなかったことを、書いておこう『近代的土地所有』(椎名重明);通史への異議申し立て『日露戦後政治史の研究』(宮地正人) ほか)
[日販商品データベースより]第2部 一九八〇年代の「仕事」(出発点としての「アジア的生産様式論争」『日本古代国家史研究』(原秀三郎);現代人の知的関心事であり続ける『マグナ・カルタの世紀』(城戸毅);「かぶれ」から「軽み」の世界へ『日本宗教文化の構造と祖型』(山折哲雄) ほか)
第3部 一九九〇年代の「仕事」(自著の過去と現在『弥生時代の始まり』(春成秀爾);「未開と文明」論の模索『日本古代の国家と都城』(狩野久);人は歴史とどう向き合って来たのか『歴史と人間について』(小谷汪之) ほか)
「三十七人の著者」と共に編集稼業「五十年」(渡邊勲)
本書は,学術出版界の黄金期とも言うべき1960年代から90年代にかけて東京大学出版会で歴史学関連の編集を中心に活躍してきた渡邊勲氏が,自ら手掛けた37人の著者に現時点で自著をどのように見ているのか,忌憚のない意見や感想を執筆してもらったものです。
執筆のきっかけや問題関心,史料探究の苦心,そして当時の学界状況や政治・社会との緊張関係など執筆を取り巻く多彩な環境の中で,書物は如何に誕生したのか。さらに学界で受容されていく経緯やそれへの応答,そして今日における位置づけなど書物の運命にかかわる多くのエピソードが語られています。
巻末では編集者により,書物の時代背景や具体的な事情が紹介され,書物誕生の姿が伝わってきます。
研究をまとめたい研究者,研究を志そうとする人びと,そして学問に関心をもつ読者にとって書物では知ることのできない発見があるでしょう。
また現場の編集者は,企画や編集の実際の作業,著者とのネットワークの構築など多くのノウハウに触れることができます。電子出版の時代を迎えようとする今,書物の魅力とは何か? 書くことの意味とは何か? 本書は多くの示唆に富む,他に類のない一書です。