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[BOOKデータベースより]
子どもは子どもなりの考えで理解する―子どもの内面を理解することの大切さ
[日販商品データベースより]授業を通して子どもの中に育てるもの―子どもの内面は教師と子どもでつくるもの
教えても伝わらないスキーマ―子どもの内面につくる知識のネットワーク
子どもの内面からつくる授業―子どもの内面を知ることで授業を変える
「わからない」にはわけがある―「再生刺激法」でわかる授業中の子どもの内面
子どもの目から見た授業―子どもの内面にもとづいた授業研究
ズレは成長のチャンス―教師、子どもの内面のズレから見直す授業
年数を重ねると授業は上手になる?―教師の内面(授業力)は経験年数に比例するとは限らない
教えることは学びの積み重ね―教師の内面(教授知識と意思決定)が授業の質を左右する
専門職でないとできないこと―教師の内面(教材観と指導観)で変わる子どもの見方・考え方
毎日が授業研究―教師の内面をみがくには
子どもの心にそよぐ風―子どもの内面を校舎に描いた建築家
これまでの学校 これからの学校―子どもと教師の内面が新たな社会を築く原動力
子どもたちにとって真に価値ある学びを
子どもたちは、小さい体に、教科書やノートがいっぱい詰まったランドセルを背負い、学校に通います。寒い日や暑い日、時には小さな体が吹き飛ばされそうになる日も。
学校や教師は、今日一日というかけがえのない学校生活を通して、ランドセルの中に何を入れて家路に向かわせるでしょうか。その大切な中身を一緒に考えていきましょう。
子どもの内面を理解する
愛媛県内のある小学校の運動会でのできごとです。3年生の団体競技は「綱引き」。練習では、白組と紅組の力の差は歴然で、白組は1回も勝てませんでした。白組の担任の先生は、綱引きには、綱の持ち方、脚の位置、号令のかけ方など、いろいろな工夫が必要だと話しました。勝ちたければ、自分たちで調べてごらんと。
運動会当日、驚いたことに勝ったのは白組でした。子どもたちは、先生の言葉をきっかけに、あらゆる方法を調べて、毎日練習を続けていたのです。もし、先生が諦めて何も働きかけなかったらどうでしょう。逆に、ああしなさい、こうしなさいと細かく指示していたらどうなっていたでしょう。
子どもの内面を理解し、学びの機会を与えることが、教師の大切な仕事なのです。
子どもの内面をとらえる「再生刺激法」
授業における子どもの内面過程を把握する方法として、「再生刺激法」という方法があります。これにより、どの子どもにどのような指導が効果的かという手だてを得ることができます。
教室の後方から、授業を撮影する。
授業終了後、いくつかの場面を子どもに見せて、その時に思っていたことや考えていたことをマークシートに記入させる。
マークシートをスキャナーで処理し、資料を作成する。
資料をもとに話し合い、授業改善に活用する。
また、「再生刺激法」を実施すると、ほとんどの場合、子どもと教師との間にズレが見つかります。このズレを把握し、授業改善に生かすことで、教師の授業力向上にもつながるのです。
渡邊和志(わたなべ かずし)
大分大学教育学部客員教授・理工学部非常勤講師。
1954年愛媛県生まれ。高知大学教育学部中学校教員養成課程(理科)卒、鳴門教育大学大学院学校教育科修了。39年間、愛媛県内の小中学校、愛媛県教育委員会、今治市教育委員会に勤務。
専門分野は、授業研究を中心とする教育工学、教育方法学、理科教育学。特に、授業における子どもの内面把握の方法である「再生刺激法」の開発者の一人。学校現場の教師とともに、子どもの学びを大切にした授業づくりや教室の運営に取り組んでいる。