[BOOKデータベースより]
がんと告知されてからの「人間関係の悩み、不安」を珠玉の言葉で救う本。
第1章 ゆだねる(人生いばらの道、されど宴会;ユーモアとはユー・モアなり「あなたを、もっと大切に」 ほか)
第2章 つながる(いい覚悟を持って生きる;いのちに期限はありません ほか)
第3章 受けとめる(あいまいなことは、あいまいに考える;がん細胞は、わが家の不良息子と同じ ほか)
第4章 乗り越える(病気であっても、病人ではない;今日は「今日の苦労」で十分 ほか)
第5章 与える(人生の目的は品性を完成するにあり;お互いが苦痛にならない存在となる ほか)
「がん哲学外来」提唱者が贈る言葉の処方箋
がんになっても、人生は続く。がんになってから、輝く人生だってある。
がんと告知されてから患者さんが心に抱えることは、「病気、治療、死に対する不安が3分の1で、あとは人間関係の悩みが実はいちばん多い。家族、職場、医師……それまでなんとも思わなかった周囲の言動に反応して心が傷つくのです」と、「がん哲学外来」の提唱者で発がん病理学者の著者・樋野興夫先生は言います。
「がん哲学外来」とは、多忙な医療現場と患者さんの「すきま」を埋めるべく予約制・無料で開設された、今もっとも注目を集める「対話の場」です。約60分、著者はがん患者やその家族とお茶を飲みながら、不安や精神的苦痛を直に聞いて解消できる道を一緒に探します。そして、どんな境遇にあっても「人はいかにして生きるか」という人生の基軸となるような「言葉の処方箋」を贈っています。その数は延べ約3000人にも及びます。
本書は、がん哲学外来の「言葉の処方箋」を初めてまとめた待望の一冊。著者自身が影響を受けた新渡戸稲造や内村鑑三、病理学の師である吉田富三ら偉人たちの語り継がれる金言から、哲学的なのにユーモアあふれる一言まで、読めばくじけそうな心が元気になる、人生に「いい覚悟」を持って生きるための言葉にあふれています。