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[BOOKデータベースより]
世界に誇る日本のまんがやアニメーションは、手塚治虫の手法で語られることが多い。だが、前史を丹念に追っていくと、その起源は一九三一〜四五年の十五年戦争期にあった。当時、まんがやアニメーションがプロパガンダの一端を担っていく中で、ディズニーのアニメと、エイゼンシュテインをはじめとするロシアアヴァンギャルドが奇妙な邂逅をみたのだ。両者の統合によって生まれ、洗練された美学が手塚らに影響を与え、現在のジブリへとつながっていく。日本まんが史の再構築を促す画期的論考。
序 ディズニーとアヴァンギャルドの野合―外国の人々に向けた日本まんがアニメ史
第1章 「ミッキーの書式」とまんが記号説(まんが記号説の起源と「略画式」的思考の近代的書き換え;『正チャンの冒険』とキャラクターの固有性の発生 ほか)
第2章 「科学」という統制と映像的手法の発生(「科学」と児童読物統制;小熊秀雄という問題 ほか)
第3章 「文化映画」としての『桃太郎海の神兵』―今村太平の批評を手懸りとして(「文化映画」とは何か;「文化映画」に於けるストーリーの排除 ほか)
補論 「戦争画」という問題―戦時下のアニメーション、まんがとの対比で(残虐さという問題;「ごっこ」と残虐さ)
一九三一―四五年の戦時下、日本のまんが界でディズニーと、エイゼンシュテインが奇妙な邂逅をとげる。両者の美学が溶け合い、手塚治虫、ジブリへとつながる道を多数の図版とともに解説する画期的まんが史。
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戦後まんがの起源が、戦時下の「のらくろ」や「トッカン水兵」などにあった! それらは昭和初期に流入したミッキーマウスなどのディズニー的なものに影響を受けた作品だった。驚きと発見に満ちた一冊。