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叙述の類型の観点から
くろしお出版 益岡隆志
点
文の形と意味の対応を考察する文論において要となる叙述の類型の研究(叙述類型論)について考察を進め、現代日本語文法研究をさらに深化させることを目指した書。日本語の観察から他言語と共有できる一般性の高い研究課題を見出す。■「まえがき」より本書は、『命題の文法』で打ち出した、叙述の類型の観点による現代日本語文法研究をさらに深化させることを目指したものである。思い起こせば、筆者が叙述の類型の観点を意識しはじめたのは大学院に在籍していた1975年頃のことであり、それ以来長い歳月が経過している。叙述の類型の問題を取り上げた『命題の文法』の刊行以後、折に触れてこのテーマについて考える機会があったが、本格的な再考に踏み切ったのは前著『日本語構文意味論』の上梓後のことである。文法論が対象とする領域としては、語を対象とする「語論」、文を対象とする「文論」、談話・テクストを対象とする「談話・テクスト論」の3部門を設けることができるものと考えている。このうちの語論についてはレキシコン(語彙)の研究との関わりが、また談話・テクスト論については語用論の研究との関わりが深い。私見では、これら3部門の中心は文論にあり、文論を中心にその両側に語論と談話・テクスト論を配するという構図を思い描いている。本書が考察の対象とする叙述の類型の研究(「叙述類型論」)は、文の形と意味の対応関係を明らかにしようとする文論の課題そのものであり、その意味において、文論の要をなすものと言ってよい。本書の書名を「日本語文論要綱」とし、また「叙述の類型の観点から」という副題を添えた理由はそこにある。文論へのアプローチの観点として筆者が重視しているものに3つのものがある。1つは、文の意味的な構成に階層性を組み込む観点(「文の意味階層構造論」)、もう1つは、形と意味が結びついた構成体である「構文」(叙述構文)の意味の在り方を探る観点(「構文意味論」)、そしてもう1つが、文構成の背後にある叙述様式に目を向ける観点(「叙述類型論」)である。これらの観点から文論にアプローチしたものが『日本語モダリティ探究』、『日本語構文意味論』、そして本書『日本語文論要綱』である。
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[日販商品データベースより]
文の形と意味の対応を考察する文論において要となる叙述の類型の研究(叙述類型論)について考察を進め、現代日本語文法研究をさらに深化させることを目指した書。日本語の観察から他言語と共有できる一般性の高い研究課題を見出す。
■「まえがき」より
本書は、『命題の文法』で打ち出した、叙述の類型の観点による現代日本語文法研究をさらに深化させることを目指したものである。思い起こせば、筆者が叙述の類型の観点を意識しはじめたのは大学院に在籍していた1975年頃のことであり、それ以来長い歳月が経過している。叙述の類型の問題を取り上げた『命題の文法』の刊行以後、折に触れてこのテーマについて考える機会があったが、本格的な再考に踏み切ったのは前著『日本語構文意味論』の上梓後のことである。
文法論が対象とする領域としては、語を対象とする「語論」、文を対象とする「文論」、談話・テクストを対象とする「談話・テクスト論」の3部門を設けることができるものと考えている。このうちの語論についてはレキシコン(語彙)の研究との関わりが、また談話・テクスト論については語用論の研究との関わりが深い。私見では、これら3部門の中心は文論にあり、文論を中心にその両側に語論と談話・テクスト論を配するという構図を思い描いている。
本書が考察の対象とする叙述の類型の研究(「叙述類型論」)は、文の形と意味の対応関係を明らかにしようとする文論の課題そのものであり、その意味において、文論の要をなすものと言ってよい。本書の書名を「日本語文論要綱」とし、また「叙述の類型の観点から」という副題を添えた理由はそこにある。
文論へのアプローチの観点として筆者が重視しているものに3つのものがある。1つは、文の意味的な構成に階層性を組み込む観点(「文の意味階層構造論」)、もう1つは、形と意味が結びついた構成体である「構文」(叙述構文)の意味の在り方を探る観点(「構文意味論」)、そしてもう1つが、文構成の背後にある叙述様式に目を向ける観点(「叙述類型論」)である。これらの観点から文論にアプローチしたものが『日本語モダリティ探究』、『日本語構文意味論』、そして本書『日本語文論要綱』である。