- 宮内庁長官 象徴天皇の盾として
-
- 価格
- 1,210円(本体1,100円+税)
- 発行年月
- 2025年05月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784065398036
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[BOOKデータベースより]
国民の「敬愛と信頼」を維持し、政治との距離を保ち、ロイヤルファミリーの結束と行く末に目を配る…。この難事にどう立ち向かったのか。天皇の胸の内、政治家の思惑、そして国民の感情…。板挟みとなって煩悶してきた歴代10人の奮闘記!「象徴」の知られざる形成過程と戦後日本のあゆみを、あの「富田メモ」をスクープした著者が明かす。
プロローグ―「公僕」と「皇僕」のあいだ
[日販商品データベースより]第一章 戦争―責任、そして慰霊と記憶
第二章 象徴―八十年にわたる「宿題」
第三章 政治―「皇室の盾」か、「内閣の一部局」か
第四章 家族―「三太夫」の限界
第五章 代替わり―新儀は未来の先例
第六章 対話―書き残されたもののゆくえ
エピローグ―皇室を人間的空間にすべきとき
戦後の日本国憲法下では天皇は政治的権能を失い、側近が政治的影響力を及ぼすことはなくなった。内大臣は廃止され、侍従長も純粋な天皇の秘書役となる。侍従職は御璽・国璽を管理するが、天皇の国事行為に関与することはありえなくなった。オクはまさしく政治の舞台から退場し、宮中の奥に収まったのだ。
(中略)
敗戦後しばらくは天皇に反発する国民も少なくなかったが、世論の大多数は天皇制を支持した。政治的権能は失ったが、精神的権威としての天皇は存続した。天皇は戦後の日本社会でも大きな存在でありつづけた。昭和の戦前戦中期に軍などの勢力にその権威が利用されたように、日本国憲法の下でも内閣その他の政治勢力によって天皇の権力(形式的ではあるが)と権威が利用される危険性は残ったのだ。
昭和の亡国の歴史をくりかえさないためにも、天皇の政治利用は絶対に阻止しなければならない。ある特定の政治勢力に利用されていると国民が受け止めれば、国民統合の象徴としての信頼と権威は瓦解し、天皇制の存続も危うくなる。
そのための「盾」として、重要な役割を担うことになったのがオモテを仕切る宮内庁長官である。宮内庁は内閣の下にある官庁だが、天皇を政治的、恣意的に利用しようとする動きがあれば、内閣といえどもその指示に抵抗しなければならない。ある局面では政府から超然とする必要があり、その気概が求められる。宮内庁長官はむずかしい職務である。
(中略)
象徴天皇制での宮内庁長官は2025(令和7)年初めの時点で歴代10人を数える。
(中略)
象徴天皇制が実施されておおよそ80年。この間に生じたさまざまな課題にたいして、各時代の長官はどう対処してきたのか。それを俯瞰することで、象徴天皇制の形成過程とあるべき姿が浮かび上がってくると思う。(プロローグより)