- 現実と言語の隙間 文学における曖昧性
-
音羽書房鶴見書店
安藤聡 鈴木章能 松本一裕
- 価格
- 3,080円(本体2,800円+税)
- 発行年月
- 2022年03月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784755304286
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[BOOKデータベースより]
特別寄稿「現実の非現実性」について―ティム・オブライエン『父さんの、たぶん本』における虚実・言語・沈黙
[日販商品データベースより]危機と言語―戦間期文学としてキャサリン・アン・ポーターを読む
他者の苦痛を目撃すること―ラルフ・エリスンの「広場のパーティー」における言語の限界
小説における語りの円環と時間の超越―『ライ麦畑でつかまえて』と『異邦人』を対比して
ウィリアム・ゴールディングの後期作品における曖昧さ
願いを叶えるためのコミュニケーション―「パディントン」の世界において、願いを叶えるための構造を探る
長崎の使い方―カズオ・イシグロの『遠い山なみの光』
カズオ・イシグロ『日の名残り』と「信頼できない語り手」―対話を通じたポリフォニーの可能性について
忘却から記憶を救い出せるか―カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』
絵に描いた餅、空に浮かぶパイ
「耳なし芳一」における怨霊とトラウマについて
言語はどこまで事実を忠実に写し取って伝えられるのか。写し取るときの言葉の選択や意識の問題、伝えるときの受け手の理解の問題、言語そのものが孕む諸問題など、ざっと思い浮かべるだけでも、言語と事実との間には多かれ少なかれ隙間があることは明白である。
したがって、対象には常に曖昧性がつきまとい、その曖昧性ゆえに日常は悲喜劇が頻繁に起こる危うさに満ちている。そうした危うさの真ん中に人間は生きており、そうした危うさに文学表象は拠って立っている。現実が悲惨であればあるほど、それを写し取ろうとした結果としての言葉に、問題は先鋭的に現れよう。たとえば、戦争の表象はその一例である。そこは、人間同士の殺し合いの最前線であるとともに、現実と言語の葛藤の最前線である。
こうした問題について論じることが本書の目的である