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[日販商品データベースより]
昭和13年、支那事変での進攻作戦が一段落すると、占領地の治安維持のため独立混成旅団が編成された。最終的には126個もの独立混成旅団が全戦域に展開した。特に、中国とフィリピンで編成された独立混成旅団の一部は戦線の拡大と戦況の悪化により、増強され師団に改編、当初の独立混成旅団の主任務である治安維持ではなく、戦略単位として正規戦に投入された。また師団に改編されなかった独立混成旅団でもフィリピンや沖縄では上陸した米軍と相対することとなる。
独立混成旅団とそれをもとに改編された各師団の戦力を支えたのが独立歩兵大隊である。
独立混成旅団は5個、師団改編後は8個の独立歩兵大隊を編合した。師団改編後の独立歩兵大隊は一般師団の歩兵聯隊にあたるが、聯隊ではないので軍旗を授与されておらず、独立混成旅団から改編された師団は「軍旗なき師団」と呼ばれた。治安戦のために編成されたこれらの師団は一般師団よりも戦力・火力で劣っていたが、独立混成旅団時からの地道な治安戦の経験、実戦経験が豊富なベテラン将校が配属されたため、中国戦線や沖縄戦で一般師団にまさる活躍をすることとなった。
一方で、独立混成旅団は一般的に戦時体制に移行してから編成されたため、占領地で臨時編成されたものがほとんどであった。その人員は他の現地部隊の満期除隊者を即日召集して充当したため、必然的に予備役・後備役がその人員の大多数を占める事となり、部隊の質は低下せざるを得なかった。特に中国では広大な占領地の治安維持のため、小部隊ごとの分散配置をとなり、軍紀の弛緩が起こり、各地で対住民に対する不法行為や軍紀違反が発生した。
今まで独立混成旅団に関しては体系的に扱った書籍はない。本書は中国・フィリピンでの地味な治安戦から沖縄での玉砕戦まで各地の戦場で苦闘した独立混成旅団の全貌を記す初の書籍となる。