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[BOOKデータベースより]
日本人の多くは「健康のため」職場の健診や人間ドックを受診しているが、こうした健診は欧米にはない。「より健康になる」「寿命をのばす」という効果を示すデータが存在しないからだ。健診は過剰な医療介入のきっかけとなり、日本人の寿命を縮めている。
第1章 健診を受ける人と受けない人
第2章 がん検診の効果を検証する
第3章 健診のデメリット
第4章 どれほど死者が増えるのか?
第5章 がん検診に救命効果がない理由
第6章 検査値の異常
第7章 新たな健診
第8章 温故知新―検査機器とクスリに頼る日本の医者
第9章 検診を宣伝する者たち
第10章 ではどうするか?
日本人の多くは職場の健診や人間ドックを受診しているが、こうした健診は欧米にはない。「健康になる」「寿命をのばす」というデータが存在しないからだ。健診は過剰な医療介入を生み、寿命を縮めることを明かす。
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健診はこんなに危険! 欧米に職場健診も人間ドックも存在しないのはなぜか? 日本の男性は職場健診で寿命を縮めている!?
日本人の多くは「健康」のため職場健診や人間ドックを受診していますが、欧米には存在しません。「より健康になる」とか「寿命をのばす」という効果を証明するデータがないからです。著者の近藤誠さん本人も、慶大病院で在職した40年間、執行部から強い圧力がありながらも、一度も受けませんでした。検診は有効というデータがないからです。にもかかわらず、日本では、医学的な根拠がないままに、1972年の「労働安全衛生法」で健診が義務化され、今日に至っているのです。日本の平均寿命は世界のトップクラスですが、奇妙なのは、男女間で平均寿命に6歳もの差があることです。女性よりも職場で健診機会の多い日本の男性は、まさに「健診で寿命を縮めている」可能性があるのです。
検診は危険がいっぱいです。そもそもCTや胃エックス線撮影には放射性被ばくによる発がんリスク、子宮がん検診には流産や不妊症のリスクがあります。異常値が見つかった後に行なわれる肺や前立腺の「生検」も極めて危険です。手術後に「がんではなかった、おめでとう」と平然と述べる医者もいます。
さらに危険なのは、「過剰な検診」が、過剰な薬の処方や手術など「過剰な治療」につながるからです。人間ドックには「早く見つけるほど、早く死にやすい」という逆説があります。実際、中村勘三郎さんや川島なお美さんは、人間ドックで「がんを早期発見され、早期に亡くなってしまった」のです。
「検査値より自分のからだを信じる」こそ、健康の秘訣です。健康な時に、健診など受けるものではありません。
本書は、さまざまなデータや論文に基づき、「健康診断が有害無益である」ことを徹底的に明らかにします。