- 鷲は舞い降りた 完全版
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ハヤカワ文庫 NV834
The eagle has landed.- 価格
- 1,254円(本体1,140円+税)
- 発行年月
- 1997年04月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784150408343
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ユーザーレビュー (2件、平均スコア:4.5)
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HonyaClub.comアンケート
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「オススメの夏の文庫100冊」レビューコメント
何をあげようかなあ・・と思い頭に浮かんだのがこれ。冒険小説の傑作という呼び名が実にふさわしい。(DARUMASAN/男性/50代)
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せみまる
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戦争下の群像劇
ジャック・ヒギンズの出世作であり代表作であるとともに、冒険小説の金字塔と言われている作品。ところが、読了して感じたのは「これは冒険小説ではないな」というものでした。
冒頭では、内容情報にあるノーフォークの寒村に別の取材で訪れた著者本人が語り部として登場、そして登場人物たちのその後を語るエピローグ部分にも再登場する。虚実皮膜」のありえたかもしれない歴史を描くフェイク・ドキュメンタリを志向してのことでしょう。
冒険小説ではないと感じたもうひとつの理由は、ケイパー(強奪)小説を思わせる徹底した準備が描写されること。アドルフ・ヒトラーが気まぐれに発した言葉を端緒に、首相誘拐の可能性を展く情報を入手した軍情報部の中佐が、その可能性を実現させるための仲間集めをするのが序盤。
彼らに協力するアイルランド独立を目指す闘士が、先遣された英国で隠密裏に下準備をするのが中盤ということで、「鷲が舞い降りる」のは文庫の本文594ページのうち423ページまで読み進めてからのこと。ちなみに着地の様子が描かれなかったのは本書でもっとも残念な部分。
現代の冒険小説と比べたら呆れるほどの展開の遅さです。だが、本書は冒険小説ではないのだからこれでいいのです。戦争という状況に否応なく押し流される人々の群像を描いた小説だと思うから。
戦傷で余命いくばくもない作戦指揮者の中佐、ユダヤ人女性を助けたことで懲罰部隊送りにされていた独落下傘部隊長、大英帝国に憎悪をたぎらせるボーア人の老婦人など、他にも描かれる人物たちの背負うものは重い。そして彼らが、失った家族、父や妻子を思う等身大の人物として描かれていることに本書の手柄があるのだと思います。
[BOOKデータベースより]
鷲は舞い降りた!ヒトラーの密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。歴戦の勇士シュタイナ中佐率いる部隊員たちの使命とは、ここで週末を過ごす予定のチャーチル首相の誘拐だった!イギリス兵になりすました部隊員たちは着々と計画を進行させていく…使命達成に命を賭ける男たちを描く傑作冒険小説―その初版時に削除されていたエピソードを補完した決定版。