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[日販商品データベースより]
知る人ぞ知る名著が令和の時代によみがえる!
著者・佐々木栄松は1913年(大正2)北海道北見生まれの洋画家。幼少期から独学で絵を描き、のちに釧路市の石版印刷会社で働きながら水彩・デッサン・石版画・油彩などさまざまな表現方法を体得する。終戦後は湿原に独り寝起きし、釧路湿原の厳粛、神秘、ときに燃え立つような生命感あふれる作品を描く。作品中には空襲で失った幼い娘や自身の投影も見られ、独特の世界を形成する。
1960年代は美術作品と釣りを目的にソビエト連邦、欧州、中近東、南北米を巡る。美術関係団体には属せず、終生独自の創作活動を貫き2012年1月11日、満98歳で生涯を閉じた。同氏の作品は現在、釧路市内の特定非営利活動法人佐々木榮松記念 釧路湿原美術館で展示されている(釣り関係資料の展示もあり)。
釣り人の間ではイトウ釣りの名手として知られ、漫画『釣りキチ三平』「イトウの原野」では鳴鶴先生のモデルにもなった。
1968年(昭和43)5月、旅行雑誌『旅』で初の釣り連載を執筆していた芥川賞作家の開高健は佐々木栄松を頼り、釧路湿原で初挑戦にして「幻の魚」イトウを2尾釣りあげる。この経験を機に開高は釣りに目覚め、連載をまとめた『私の釣魚大全』を皮きりに『フィッシュ・オン』『オーパ!』等、数々の釣り紀行作品を生み出した。そして二人は家族ぐるみの親交を結んだ。
本書は、二見書房「釣魚名著シリーズ」『湿原のカムイ 幻のイトウを追って』(佐々木栄松 著)の復刻であるとともに、巻頭には著者の絵画作品、巻末には開高健が釧路湿原で初めてイトウを釣りあげた時のようすを著わした文章「釣り人・開高健誕生の瞬間」が特別付録として収載される。
“憧れの幻”である白いイトウをはじめ、釧路の湿原を舞台に、洋画家が文字で描く北の自然と人の情景。