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[BOOKデータベースより]
第1部 契約成立過程の関係調整(アメリカ契約法における「約束的禁反言」理論の発展史緒説;契約と約束の諸相)
[日販商品データベースより]第2部 契約成立後及び契約終了後の関係調整(素描・効果論から見た契約法の分化傾向―契約解放規範と契約維持規範の錯綜;不動産売買契約終了後の不動産業者による値引き販売―バブル経済崩壊と契約〈試論的一素描〉;不動産売買契約終了後の値引き販売と価値保持義務―東京地判平成15・2・3判時1813号43頁に至るまで;判例研究)
第3部 補論(モデル法の母としてのアメリカ法―UCCとリステイトメントの来し方・行く末―;A Comparative Study of the Basic Concept of Impossibility of Contract Performance Under Japanese,American and Uniform Law;The Right to Self‐Determination Regarding Property Right in Japanese Civil Law)
我々は、消費者としては、日常あまり契約を意識することは少ない。それでも、スーパーやコンビニ、ネットで買い物する場合も、電車に乗るような場合も、我々は契約を結んでいる。その契約の細かい内容は、店の側、電鉄会社の側が「約款」という形で決めていて、我々がその内容について店側と話をすることは少ない。
そんな我々でも契約を意識することが人生の中でも生じる。
たとえば、家やマンションを買おうとする場合、買うのでなくても、所有者から借りる場合には、仲介業者から契約書を出されて、おのずから意識することになる。
そうして、例えば、マンションを買おうとする場合には、どのような間取りのマンションにするか、入居はいつになるか、代金はいくらか、入居までに改装することはできるか、といったことを詰めて行く。場合によっては、交渉により代金額を下げてもらうことができるかもしれない。このような「契約締結交渉」を経て、契約は成立し、その契約によって債権債務関係が生じたあと、その債務が契約どおりに履行されて、ひとまず契約は終了する。先のマンションの売買の例だと、買主は代金を売主に支払い、売主は買主に住戸を引き渡し、登記名義を買主に移転する。このような順当なケースではなく、どちらかの当事者が債務を履行しない場合、つまり、売主が住戸を引き渡さないとか、買主が代金を払わないなどという場合は、典型的な債務不履行の場合として、裁判所の力を借りて契約通りの履行をさせたり、損害賠償の請求をしたり、契約を解除したりして、その始末をつける。
このような典型的に考えられる履行ケース・不履行ケースの他にも様々な局面で様々なトラブルが生じる。契約締結交渉途中でどちらかの当事者が離脱する場合もあろう。契約が成立していない以上、離脱するのは自由だけど、契約締結に至るという信頼がもっともな場合まで、その離脱の自由を認めていいのか。損害賠償を支払うことが当事者の利益衡量から正当な場合もあるのではないか。
また、契約が成立しても、履行までの間にさまざまな予想外のトラブルが生じる。お互いに帰責事由がないにも関わらず履行コストが上昇して契約通りの対価が支払われてもとても割に合わない場合も生じる。不動産売買でも、不動産市況が激変して、市場価格が騰貴しているのに、契約価額で引き渡さなければならないとするのも衡平に欠けると感じられる場合もあろう。
さらに、トラブルなく契約が履行し、終了したと思っていても、同じ規模、仕様の同じ棟のマンション住戸を値段を下げて売り始めるのは、すでに購入したマンション所有者の保有価値を損なうことにならないか。
このようにして、契約当事者の利益は様々な態様で影響を受けていく。
本書は、そのような契約利益は当事者間でどのように調整され、衡平が図られるべきかを論じるものである。