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【2020年09月発売】
[BOOKデータベースより]
サブジェクト・ライブラリアンの意義・現状・課題に理解を深めこれからの専門図書館を考える―
第1部 図書館をめぐる知の変革(オープンサイエンス時代の新たな図書館員像―データライブラリアンに求められるスキル標準とその育成―;橋を築け、橋になれ―ライデン大学のアジア図書館と橋渡しとしてのサブジェクト・ライブラリアン―;図書館に溶け込む世界の知識―資料と空間と人の新たな関係―;アジア研究図書館の可能性と方向性;パネルディスカッション;オープンアクセスをめぐる近年の動向―即時オープンアクセス義務化の流れと新たな取り組み―)
[日販商品データベースより]第2部 サブジェクト・ライブラリアンの将来像―日本の大学図書館への導入拡大に向けて―(アジア研究図書館の紹介;米国サブジェクト・ライブラリアンの現状―「博士号オンリー」日本研究専門ライブラリアンによる現場報告―;通訳としてのサブジェクト・ライブラリアン―図書館の言語、研究の言語―;九州大学大学院ライブラリーサイエンス専攻による大学図書館員の人材育成;〈特別寄稿〉大学図書館に対する期待―大学図書館をめぐる政策動向の視点から―;研究の世界と図書館の世界と二つ持っているサブジェクト・ライブラリアン―コメント1―;コミュニケーションを通じた新たな価値観の創生を―コメント2―;パネルディスカッション)
第3部 U‐PARLにおける図書館機能開拓研究の取り組み(U‐PARLの活動内容;図書館視察とサブジェクト・ライブラリアンとの交流;アジア研究図書館開館に向けた取り組み;アジア資料の目録作成;アジア資料のデジタル化;各種セミナー・イベントの実施;ウェブサイトを通じた発信)
サブジェクト・ライブラリアンとは、特定の主題(サブジェクト)に関する専門的知識にもとづいて図書館業務を遂行する図書館員のこと。デジタル化が急速に進展している今日、図書館を巡る環境は大きく変化し、かつての図書館像では対応が困難な状況が日々生じている。
教育への関与や、研究支援において主題知識を持った図書館員が求められているが、そういったライブラリアンは、どのように配置できる仕組みを作っていけばいいのだろうか。
本書は、2014年4月の設立時よりサブジェクト・ライブラリアン配置と養成のための、同職に求められる資質、能力、業務内容を調査し、その実現可能性について検討を重ねてきた、東京大学附属図書館に設置されたアジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)が、いま、なぜサブジェクト・ライブラリアンなのか、を問うものである。
過去2回のシンポジウムとU-PARLのこれまでのサブジェクト・ライブラリアン配置に向けたU-PARLの取り組みを詳述することで構成した。サブジェクト・ライブラリアンの意義・現状・課題に理解を深め、これからの図書館を考えるための必携書。
執筆は、宇陀則彦、大向一輝、尾城孝一、小野塚知二、北村由美、熊野純彦、齋藤希史、中尾道子、ナディア・クレーフト、福田名津子、蓑輪顕量、三宅隆悟、横井慶子、吉村亜弥子、六反田豊、渡邊由紀子。
【サブジェクト・ライブラリアンの確保・育成は、個々の大学では困難であり、全国規模で検討する必要がある。また、学外との人事交流やキャリアパスの仕組みを考える、さらには、業務、パフォーマンスの評価をどのように行うのか、といったことも共有すべき重要な課題になるであろう。
こうした問題をアジア研究図書館の、東京大学の中だけに閉じるのではなく、サブジェクト・ライブラリアン制度が国内の大学図書館にも広がっていくことを目指して、その課題を共有し、サブジェクト・ライブラリアンの意義・現状・課題に理解を深め、これからの図書館を考えるために本書が役立つことを願ってやまない。】「はじめに―いま、なぜサブジェクト・ライブラリアンなのか―」(中尾道子)より