- 兄の終い
-
- 価格
- 792円(本体720円+税)
- 発行年月
- 2025年10月
- 判型
- A6
- ISBN
- 9784484221403
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[BOOKデータベースより]
寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた警察署からの電話は、何年も会っていなかった兄の死を告げるものだった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子。いまは児童相談所に保護されているという。兄の人生を終うため、私、兄の元妻、娘と息子が集まりドタバタ劇が幕を開ける。わかり合えなくても、嫌いきることなど、できない。そんな肉親の人生を終う意味を問う。(映画『兄を持ち運べるサイズに』原作)
[日販商品データベースより]\映画『兄を持ち運べるサイズに』原作/
※書き下ろしの「文庫版あとがき」を収録
一刻もはやく、
兄を持ち運べるサイズにしてしまおう。
憎かった兄が死んだ。
残された兄の元妻、娘と息子、
私(いもうと)が集まり、兄の人生を終う。
――怒り、泣き、ちょっと笑った数日間。
「わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。実は、お兄様のご遺体が本日午後、多賀城市内にて発見されました」
寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた見知らぬ番号からの電話。それは、唯一の肉親であり何年も会っていなかった兄の死を告げるものだった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子。いまは児童相談所に保護されているという。
いつかこんな日が来る予感はあった。兄は金銭的にも精神的にも、迷惑ばかりかける人だった。二度の離婚をし、体を壊し、仕事を失い、困窮した兄は、底から這いがることなく、たった一人で死んだのだった。
急なことに呆然としている私に刑事は言った。
「ご遺体を引き取りに塩釜署にお越しいただきたいのです」
わかり合えなくても、嫌いきることなど、できない。どこにでもいる、そんな肉親の人生を終う意味を問う実話。