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[日販商品データベースより]
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く,興味深い講義録の集大成である。
哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にも有益な講義である。
第四巻では,マルタとマリアの物語と,生と死というすべての人にとって避けられない問題,謎について考察する。
第T部は福音書にある「マルタとマリアの問題」で,受難への道を歩むイエスがマルタとマリアの姉妹の家に迎えられる。マルタはイエスの食事や接待に立ち働き,マリアはイエスの足もとに座り話に聞き入った。マルタはイエスにそれについて不満を述べたが,イエスはマリアを褒めた。この物語は,マリアを観想的生活,マルタを行動的生活として伝統的に理解されていた。しかし著者はイエスは姉妹を差別せずに,それぞれが自分を見つめて振る舞ったものとして,姉妹に等しい愛を注いだと考えたのである。
第U部の「生と死の問題」では,人生において「死の経験」だけは経験できないため,神話で多くの物語が語られ,儀式や祭として今日まで引き継がれてきた。
そこでは身体は滅びるが,魂は不死であり永遠に生きると考えられた。身体が滅びた後には何も残らないという唯物論者による見方と,魂は存続するという見方を著者は丹念に追究する。残るのは普遍的な一つの魂か,それとも個人のための多数の魂かが焦点となった。カントの普遍的な魂を紹介するとともに,キリスト教における神の創造を基盤とする個人の存在に根差した個人の魂が残ることを明らかにする。「死の経験」とは何か,重要なテーマが問われた。