- スポーツビジネス成長論
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各国の歩みと資金循環構造の分析から日本のスポーツビジネスの成長可能性を考える
DBJ BOOKs 日本政策投資銀行Business Research
- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2025年08月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784911540039
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[日販商品データベースより]
大谷翔平に三笘薫…スター選手はなぜいつも海外に?
ビジネスとしての成長が鈍い日本のスポーツ産業の構造的問題に迫る
通常「スポーツ産業」というとプロリーグのスポーツ選手やクラブが真っ先に頭に浮かぶが、活躍の場を提供するスタジアム・アリーナの所有・管理運営者、興行を報道してファンに届けるメディア、アパレル企業に食品企業、データアナリティクス企業など、実は多様なプレイヤーを内容する一大産業である。しかし我が国においてスポーツが産業として認識されたのは最近のことで、米国や欧州と比べると資金流入の差も指摘される。そんな社会課題をどう解決するかという問題意識に立ち、本書ではスポーツ産業の成長論について俯瞰的かつ多角的な考察がなされる。
第1章では、世界と日本のスポーツ産業の歴史を振り返る。海外の歴史として紹介されるのは、娯楽としての近代スポーツが栄えたスペイン、フランス、英国、ドイツの欧州4カ国と、スポーツのプロ化実現と国際大会のスタンダードとなる取り組みを通じて産業の成長土壌を形成していった米国の事例だ。一方で日本では、心身鍛錬、教育のための手段としてスポーツが用いられたため、産業としてのスポーツは発展途上だと伝える。
第2章では、我が国のスポーツ産業の特長と課題についての分析と考察が海外事例との比較で展開される。我が国のスポーツ産業が発展途上である背景には、資金循環が何らかの目詰まりによって阻害されている可能性があるという。そして本書では、スポーツ産業の資金循環の実態を可視化するという世界でも類を見ない分析がなされる。
第3章では編著者が考える我が国スポーツ産業の成長サイクルを促す仮説の説明と、その実現に必要な要素について、具体的な国内・海外の事例を踏まえて論じられる。興行スポーツの収益性向上や放映権料の上昇が図れず、スター選手の活躍を興行スポーツへの活性化へ誘導できていないという課題をどう解決すべきか、資金循環フローの図説や豊富な海外事例、また少ないながらも存在する国内13の企業事例の分析を通して提言が図られる。そして4章ではここまでの内容を総括し、成長サイクル実現のためには必要な投資への資金の割り振りとスポーツビジネス人材の確保、マインドチェンジが重要だという総括がなされる。
野球やサッカーなど、個別のカテゴリーにおいてはスポーツビジネスに詳しいファンも存在するだろう。だが歴史や産業構造の違いまで含め、包括的にスポーツ産業を俯瞰した評論や分析はまだまだ少ないはずだ。投融資一体型の金融サービスを提供し、地域活性化・地域創生に取り組んできた編著者の視点からは、スポーツ業界はどう見えるのか。プロスポーツ経営に興味のあるスポーツファンなら必読の一冊だ。