- 御家騒動
-
- 価格
- 1,430円(本体1,300円+税)
- 発行年月
- 2025年07月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784065402467
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[BOOKデータベースより]
鍋島騒動、黒田騒動、柳川一件、伊達騒動…歌舞伎や時代小説で描かれる有力大名家の醜聞事件では、幕府が改易の口実としたというより、むしろ大名・家中の側が訴え出て「公儀」の介入を招き入れた。彼らはなぜ危険を冒したか。当事者の行動原理を探り、「忠臣が御家を救う」勧善懲悪物語ではない時代のリアリティを読み解く、スリリングな歴史研究。
第一章 近世武士の主従観念と「御家」(多様な主従関係;武士団と家臣団 ほか)
[日販商品データベースより]第二章 主君を廃立する従臣たち(鍋島騒動;幼少とは何歳までか ほか)
第三章 従臣を排除する主君たち(「狂気」に走る大名;横田内膳の誅伐事件 ほか)
第四章 主君を選り好みする従臣たち(後藤又兵衛の出奔;堀尾吉晴の牢人再就職の斡旋 ほか)
第五章 御家騒動の伝統化(外様大名取り潰しの真否;将軍家の「御一門払い」 ほか)
補論 「御家騒動」のなかの女性たち
「主従」とは闘争である。
時代小説や歴史ドラマなどでおなじみの、「家中のトラブルが幕府に露見して改易される」といった筋書きだか、実際にはそうした事例はほぼなかった。
有力大名家に勃発した鍋島騒動、黒田騒動、対馬の柳川一件、伊達騒動……いずれも改易とはなっていない。
子細にその経過をみてみると、幕府が騒動に積極的に介入したというよりは、むしろ大名・家中の側から幕府に積極的に訴訟し、自ら幕府の介入を招いているような節がある。
では、大名や家臣たちはどうしてこのような危ない橋を渡ろうとしたのだろうか?
本書は、御家騒動を引き起こす当事者たちの行動の原理がいかなるものであったのかを探り、「忠臣が身命をなげうって悪臣を排除し、騒動の禍根を未然に絶って御家の危機を救う」勧善懲悪ストーリーとは一味違うリアリティを、幕藩制という時代相のなかから具体的に解き明かす試みである。
大名家のスキャンダルを歴史学の眼で徹底検証する、スリリングな歴史研究!
【本書より】
元禄以降の十八世紀には、主従不和や家中騒動が「公儀」に対する罪過である、という固定観念ができあがっているが、それ以前に生じた騒動に対してはそうした「色めがね」(固定観念)をはずして見直してみるべきではないか。家中騒動が「公儀」に対する罪過ではなかったからこそ、大名や従臣たちは将軍・幕府に騒動の調停を強く求めることができたのではないか、という逆の視点から騒動をみていくことが必要なのである。
そのためには、当時に作成された一次的な史料に基づいて騒動全体を見直すという作業が必要となるのはいうまでもない。
【本書の内容】
第一章 近世武士の主従観念と「御家」
第二章 主君を廃立する従臣たち
第三章 従臣を排除する主君たち
第四章 主君を選り好みする従臣たち
第五章 御家騒動の伝統化
補論 「御家騒動」のなかの女性たち
*本書の原本は、2005年に中公新書より刊行されました。