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[日販商品データベースより]
数奇な生いたち、抱え続けた「闇」、言葉と人に捧げたその愛。
没後30年を迎える世界的作家の創作の源泉に迫る本格文学研究
20世紀初頭の仏領インドシナに生まれ、「毒母」への愛憎相半ばする感情に苦しんだ少女時代。世界的ベストセラーとなり、映画も大ヒットした『愛人』の作者。難解かつ論争含みの作品で知られ、小説というジャンル自体を刷新した作家。第二次大戦下、ミッテランとともにナチスドイツに抗ったレジスタンスの闘士。強制収容所に送られた夫を待ち続け、心を病んだ銃後の妻。フランスの妊娠中絶合法化に寄与したフェミニスト。ジャック・ラカンが心酔したメタ小説の書き手。アルコール依存に苦しんだ晩年……現代を代表する作家の一人マルグリット・デュラス(1914‐96)には、こんなふうにいくつもの顔があります。自伝的作品も評伝もあまた公刊されているにもかかわらず、その実像はいまだどこかしら謎めいているようです。
50年以上にわたる作家人生で手がけた数多くのフィクション(小説、戯曲、映画)は、それぞれプロットや状況設定は異なるものの、「愛」というただひとつの主題を探求しているとみなし得ます。母、「小さい兄ちゃん」、夫、恋人、親友、ひとり息子、そして生涯最後の伴侶への「愛」は、いずれも決しておだやかなものではありませんでした。つねに死と隣り合わせの苦しみにも似た「愛」が、彼女を「書くこと」へと導き続けたのかもしれません。
本書は、没後30年を迎えるにあたり、デュラスを専門とする著者がこの世界的作家の創作の源泉に肉薄した本格文学研究です。問題作『愛人』をはじめ、作品に描かれたさまざまな「愛」の形を析出しつつ、唯一無二のエクリチュールが生み出されるプロセスを丹念にたどります。旧仏領インドシナからフランス国内まで、作家ゆかりの地を訪ねる写真付きコラム六篇を併録。愛に生き、「書くこと」でその愛に不滅の命を与えた作家の秘密がいま明らかになります。(編集部)