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[日販商品データベースより]
著者は1985年に京都大学を定年退職後,南山大学に移り,自由なテーマによる教養科目の講義を要請された。専門科目しか教授してこなかった著者が,若い人たちも興味をもち,理解できるように分かり易く工夫したのが本シリーズである。哲学・倫理学の深い学識と豊かな知識に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても学問と人生を知るうえで,示唆に富む有益な名講義である。
名古屋での13年,授業で話した主要なテーマは「愛」の問題であった。本巻では愛の諸相について語られる。
「愛とは何か。問われないと私は知っている。問われると,分からなくなる。」愛することは知っている。しかし愛とは何かを知らない。愛の自明性と多義性という両面性と愛の意味を知るために愛の諸形態について考える。
愛については三つの見方がある。プラトン『饗宴』の「エロス」,アリストテレス『ニコマコス倫理学』の「ピリア」,そして『新約聖書』の「アガペー」である。
本書では『饗宴』の論客たちの愛に対する思いを見ながら,エロスの持つ多様で深い意味が紹介される。
さらにキリスト教の「あなたの父なる神」と「キリストと群衆」を通して,神とイエスと群衆が相互に交わりながら,人々の中で息づく愛と,キリスト教の真実を見つめる。
人には好きと嫌いがあり,エロスの愛は反面として「憎しみ」を伴う。それらの根底には「自愛」がある。「自愛」と「他愛」の深刻な抗いにいかに応えるかを考える。
次回の第三巻では「ピリア」と「アガペー」について語られ,「エロス」を含め愛の統合的な理解が明らかにされる。