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[BOOKデータベースより]
昭和のおもちゃ、怪奇マンガ、ちゃぶ台、ブリキの皿…10歳でレトロなものに目覚めた著者がその魅力に迫る。レトロなものを扱う店主たちはどんな世界に棲んでいるのか。
序章 レトロ商を読みとくために(僕の五つの「レトロブーム」;レトロ商とは何者か ほか)
[日販商品データベースより]第1章 カズさんと昭和レトロ(昭和レトロの店;男の子もの ほか)
第2章 ナンブさんとマンガと紙モノ(ナンブさんの領域;マンガ第一主義 ほか)
第3章 迅太さんと古道具と制作(渋さと甘さ;渋さと甘さの果て ほか)
終章 レトロ商のなりそこない(必要十分条件としての三人のレトロ商;たいせつなことはすべてマンガが教えてくれた ほか)
「幸せになる秘訣はレトロにあった!
蚤の市に群がる多くの人たち
レトロなものはなぜこんなにも人を惹きつけるのか
その魅力に迫る」
「まえがき」より
レトロな商品を見るたびに、心がときめかざるを得ません。実際、世界中のさまざまな街で骨董市や蚤の市が開かれています。骨董市と蚤の市は、名称が違うだけでほぼ同じようにレトロな商品全般を扱っている事例も多いのですが、ときには骨董市は、より本格的な古美術・小道具などを中心的に扱い、蚤の市は、中古の衣服や食器などを中心的に扱っています。
いずれにしても、そうした骨董市や蚤の市に人々は押しよせ、じぶんの趣味に合った絶妙な一品を探し求めます。僕たちが漁っているのは、過去の時代に産みだされ、いまではもはや生産されなくなっているたぐいの道具、雑貨、玩具、紙製や木製のなにかかです。骨董市や蚤の市とは、過去の時代から未来に送りこまれたタイムカプセルということになります。客の僕たちは、タイムカプセルを開封する楽しみを求めているのです。
かつて僕は第一希望としては研究者になりたく、第二希望としてはマンガ家になりたい子どもでした。研究者になりたいという思いのほうが強かったのですが、研究者にはすぐにさっとなることができません。大学を出たあとも大学院に通い、長期にわたって研究者として養成される必要があります。それに対してマンガ家の場合、早ければ中学生くらいからデビューする人もいるわけで、それをめざすならば、小学生時代から準備を始めることになります。
そういう事情ですから、小学生の僕は第一の夢を研究職と定めつつも、とりあえずマンガ家になるための訓練を重ねることにしました。けれど、マンガの技術が上達することはないままでした。応募できる作品を一本すら描きあげられなかったのです。中学時代が終わり、高校時代が終わり、大学生になったとき、僕はマンガ家になる夢を最終的に諦めました。大学入学後は猛烈に勉強して、より大きな夢だった研究者になるために全力を傾けなければならない、と決意したからです。僕の研究者になりたいという第一の夢は叶い、マンガ家になりたいという第二の夢は陽の目をみないまま、ひそかに心の奥に仕舞いこむことになりました。僕が子どもの頃の「将来の夢」はそのふたつでしたから、そして大きなほうの夢が叶ったのですから、僕の人生は原則として幸福だったのかもしれません。
研究者を本格的にめざしはじめた大学時代から、僕が別の「いつかこうなりたい」と願う職業はなかなか生まれませんでした。しかし二〇年近く経って、三〇代の半ばになってから、僕にそれができたのです。新しい「将来の夢」──それはレトロ商になることです。意外な夢だと感じるでしょうか。
この本では、「レトロ商はどうして魅力的なのか」をテーマとして、僕がなぜレトロ商に憧れているかを伝えようと思います。それを通じて、みなさんもレトロ商になりたいと思うようになることを目論んでいます。