- 宛名のない手紙
-
チェルヌイシェフスキー哲学的論戦珠玉
- 価格
- 4,950円(本体4,500円+税)
- 発行年月
- 2025年03月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784560091340
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価格:3,300円(本体3,000円+税)
【2012年03月発売】
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チェルヌイシェフスキー哲学的論戦珠玉
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価格:3,300円(本体3,000円+税)
【2012年03月発売】
[BOOKデータベースより]
「向こう岸から」ではなく―19世紀半ばのロシア帝国のなかで、ツァーリズムに、リベラリズムに開き直る貴族らに、言論で戦いを挑んだチェルヌイシェフスキーの不屈の精神がいま甦る。マルクスを唸らせ、そのロシア観に修正を迫った論攷を含む全七篇の言葉のつぶて。多和田葉子氏の書き下ろしエッセイ「検閲官と迷路」を収録。
チェルヌイシェフスキーの略伝と著作
[日販商品データベースより]ロシア文学のゴーゴリ時代概観
スラヴ派と共同体の問題
ランデヴーにおけるロシア人
共同体的所有に反対する哲学的偏見の批判
ローマ滅亡の原因について
地主領農民へ、同情者からの挨拶
宛名のない手紙
検閲官と迷路(多和田葉子)
「言葉をもって空気をふるわす」
チェルヌイシェフスキーは、専制体制下のロシアにおいて生涯をかけて、社会体制の変革と民衆=人民の解放に向けた言論活動をおこなった。ここに集められた諸論攷の多くは1861年の農奴解放令に関連するものである。自由主義的な貴族や知識人からは「大改革」と称讃されたが、そこにはいくつか問題があった。農奴解放によって「農奴」は人格的自由を得たものの、同時に、分与された土地に対して膨大な額の支払い義務を負わされたことや、農村共同体の位置づけなどである。「土地つき解放」を求める彼の争点はここにあった。この「リベラルな」改革は真の意味での「農奴解放」とはいえず、圧倒的に不十分だったのだ。つまり、彼の闘争の矛先は、専制体制のみならず、不徹底なリベラリズムにも向けられている。
これらの論攷は、検閲を避けるために意図的に晦渋な文章で紡がれることもあいまって、ひじょうにわかりづらい。だが、チェルヌイシェフスキーの活動が、ナロードニキ運動やレーニンに影響を与えるように、現在のわれわれがそこから汲み取るべきは、偽りの「解放」を〓まされることなく、真の解放を求め、言論活動によってそれを具現化せんとするそのあくなき魂である。