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[日販商品データベースより]
<企画者より>
急性冠症候群(ACS)は、急性心筋虚血に由来する臨床病態を指し、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)、不安定狭心症(UA)が含まれる。ACSの中でもSTEMIは死亡率が高く、世界的には人類の死因の第一位の急性疾患である。夜間・休日を問わず治療にあたる日本の循環器内科医の献身的な努力にもかかわらず、残念ながら現在もなおACSで命を落とす患者が存在する。その多くは発症後短時間の死亡であり、改善が強く望まれる。
ACSが疑われる場合、最初のトリアージと評価が重要である。患者の病歴と身体所見、心電図、X線検査や画像診断、心臓バイオマーカー検査を迅速かつ十分に評価することが正確な診断を可能にし、治療の指針となる早期のリスク層別化を助ける。初期評価に基づいて、早急な侵襲的治療が必要かどうかを決定する。STEMI患者には速やかに冠動脈インターベンション(PCI)が必要である。
ACS患者は血行再建だけでなく、イベント再発を予防し心血管リスクを最適化するための対策を実施することが重要である。救命に成功しても心不全や合併症に悩まされることも多い。十分な内科的治療による2次予防も課題である。抗血小板薬、抗凝固薬、脂質低下薬などの積極的な薬物療法を併用することによって、臨床的転帰は最適化される。エビデンスに基づいたガイドラインはACSの管理に関する推奨事項を示しているが、ACSの管理に対する治療的アプローチは、多数の大規模ランダム化比較試験によって急速なペースで進化し続けている。そのため、どの薬剤や治療戦略が最良の結果をもたらすかを、臨床医は熟知する必要がある。
本特集では、病態の理解、診断の基本、そして最新の治療まで知っておくべきテーマを網羅した。具体的な内容として、I. ACSの疫学と病態、II. ACSの診断、III. ACSの画像診断、IV. ACSの急性期治療、V. ACSの慢性期治療、VI. ACSの補助的治療、この6つのセクションで組み立てた。進歩が著しい画像診断と循環補助についても詳しく紹介している。執筆陣は、第一線の臨床の現場で活躍する新進気鋭の若手を中心とした。執筆を依頼したところ、皆が趣旨を理解し快諾してくれた。この場を借りて謝意を伝えたい。ACS患者の治療は、緊急手技として行われることが多く、担当医師が若手であることも多い。この面で、本特集の執筆陣は、対象読者の気持ちを理解できる立場にある。先輩医師が後輩に優しく語りかけるような温かさが行間から伝わってくる。
ACS治療に関わる1人でも多くの方に本書を手に取っていただき、ACS患者の心臓と生命をまもるために活用いただきたい。