[日販商品データベースより]
近年著しい進歩を遂げた大腸癌の薬物療法について,薬物療法の適応,投与方法,さらには支持療法や有害事象の管理方法までを具体的かつ端的にまとめた実際書.最新のガイドラインを踏まえ標準的なレジメンとその裏付けとなるエビデンスを解説し,外科医目線で重要な休薬や薬剤切り替えのタイミング,?術に踏み切る判断のポイントまでを実例とともに解説.薬物療法のプロの実践的知識を吸収できる,大腸癌患者のQOL向上のために大きな力となる一冊.
【序文】
大腸癌の薬物療法は近年著しい進歩を遂げています.我々が医師になった時代には進行・再発大腸癌の生存期間は12 ヵ月程度でしたが,現在では分子標的治療薬の登場もあり30 ヵ月を越える生存期間が示されるようになりました.一方で,我が国では薬物療法を専門に行う診療科である化学療法科あるいは腫瘍内科はまだまだ広く普及しているわけではなく,多くの施設で消化器外科医が薬物療法を担当しています.中でも特に大腸癌の薬物療法は,多くの場合消化器外科医が担当しています.
我々が医師になった時代には,大腸癌の薬物療法で使う薬剤は補助化学療法であっても進行・再発大腸癌に対する薬物療法でも,フルオロウラシル単独あるいはこれにバイオケミカルモジュレーションの概念による葉酸製剤を付加した投与法で行うことがほとんどで,そのレジメンや支持療法もそれほど複雑ではありませんでした.しかしその後イリノテカンやオキサリプラチン,さらにはカペシタビンなどの経口フッ化ピリミジン系製剤の登場,さらには分子標的治療薬の出現でその投与法は複雑になってきました.さらに腫瘍の局在によっても薬物選択を考慮することが推奨されるようになり,消化器外科医にとってはますます大腸癌の薬物療法の治療戦略を立てることが難しくなってきました.また薬物療法が複雑化するにつれて,有害事象に対する支持療法やその管理に関しても多様化しており,それらにも十分精通している必要があります.
そのような中で消化器外科医が日々の臨床の現場で時間をかけずに薬物療法の知識を習得できる本はこれまであまりなく,私自身もそのような実践的な本があれば非常に役に立つと思っていました.一冊で薬物療法の適応,そのまま指示書に書くことができる具体的な投与方法,さらには支持療法や有害事象の管理方法などがわかれば非常にありがたいと思っていました.本書はそのような消化器外科医の声に応えるべく企画いたしました.忙しい臨床の場で,これ一冊あれば補助化学療法から進行・再発大腸癌に対する薬物療法の全てに対応でき,またその治療法の根拠になった臨床試験の結果も知ることができるようになっています.本書を診療の現場に携帯して日々の診療に役立てていただければ,編者としてこの上ない喜びです.
令和6年10月
北里大学医学部下部消化管外科学
内藤 剛
北里大学医学部附属医学教育研究開発センター医療技術教育研究部門
佐藤武郎
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