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[BOOKデータベースより]
筆者は、ウィルソンとチャーチルの愚かな外交がなければ、ロシア革命はあり得なかったと考える。唯物史観は人間社会の最高の発展段階が共産主義社会と説く。しかしそれは「偶然の産物」に過ぎなかった。けっして歴史の発展の必然として出来上がった代物ではない。この2つが本書のテーマである。
第1章 第一次世界大戦勃発
[日販商品データベースより]第2章 チャーチルの謀略(英国参戦)と第一次世界大戦
第3章 第一次世界大戦とチャーチル・ウィルソンの思惑
第4章 ロシア革命を巡る米英の思惑
第5章 失意の革命家レーニン
第6章 封印列車
第7章 ボルシェビキ(11月)革命と英国の悔恨
第8章 ケレンスキーの愚かさとボルシェビキ革命
終章 ウッドロー・ウィルソン外交の失敗と唯物史観の虚構
2020年から2年間にわたって月刊WILL誌上に連載された「ロシア革命再考」の書籍化。
11月革命でボルシェビキがロシア革命の主役に躍り出たのは何故なのか。
けっして共産主義思想家が説くような歴史の必然でそうなったのではない。
その理由は、この年4月にヨーロッパの戦いへの参戦を決めた米国大統領ウッドロー・ウィルソンの愚かな外交にあった。
オーソドックスな歴史書ではウィルソンを国際聯盟の生みの親として描く。
長老派クリスチャンの彼は「恒久的世界平和の実現」という理想を掲げヨーロッパの戦いに参戦した。
つまり「戦争を止めるための戦争」に勝った「英雄」である。
しかし、その一方で、共産主義国家ソビエトの産婆役にもなっていた。
彼の外交の愚かさと残酷な歴史のアイロニー。ロシア革命は「歴史の必然」ではなく、英米外交の失敗と「偶然の連鎖」だった。
それが本書が解き明かす最大のテーマである。