[BOOKデータベースより]
大事なことはおなかの中。
1‐a がんに限らない悪心・嘔吐
1‐b がん患者の悪心・嘔吐
2 便秘
3 下痢
4 腹部膨満・腹水
5 消化管閉塞(イレウス)
6‐a 食事摂取量低下
6‐b 悪液質による食欲不振
7 終末期の患者への輸液と栄養
緩和ケアという森にはさまざまな木(テーマ)が生えている.そんな森に足を踏み入れようとしているあなたに,初心者時代の記憶新しい著者らが記す,<緩和ケアの“超入門書”シリーズ>!!
本巻では消化器症状の緩和ケアをがん/非がん問わず解説.悪心・嘔吐や腹水,消化管閉塞への対応を知り,食欲不振,便秘など「“食べる”から“出す”まで」にまつわる諸問題に対して患者と家族に寄り添い,支えるための一冊.
【書評】
本書を手に取って最初に,「ようこそ 緩和ケアの森」の表紙デザインに興味を惹かれます.そして,「がん・非がん患者の消化器症状を診る」と聞いて,消化器症状は患者にとってとてもつらい症状ですので,「すぐになんとか対処しなければいけない」と頭に浮かんだ看護師の皆さまも多いのではないでしょうか.そんな悩みを抱えることの多い消化器症状を診る際に助けとなるのがこの1 冊です.本書を読み終えたとき,消化器症状についてわかっているようで,今さら先輩にも聞けない,そんな悩みを解決してくれるのが本書だと確信しました.
本書は,消化器症状の病態生理について詳しく説明されています.読んでいると今まで何となくわかった気でいた自分が恥ずかしくなりました.「これは勉強になる!」とどんどんページをめくって没頭して読んでしまいました.治療に加えて,ケアの大切さも述べられており,看護師にはたいへん有難い内容です.初心者の心得からレベルアップの心得までが記載されており,本書を読み終えた私は,消化器症状についてどのような対応でもできそうな気がしてきました.ぜひ,多職種で読み合わせていただきたい内容です.
先日,病棟でも下痢が持続する患者さんのアセスメントを考えるときに本書を用いました.ポイントが整理されていて,さらに病態生理についてもわかりやすくまとめられており,スタッフみんながとても勉強になり,患者さんによりよいケアを提供することができました.何となく理解していた薬剤についても,いま一度,理解を深めるきっかけとなりました.
さらに本書は,がんだけに限らず非がん患者の場合も述べられているので,アセスメントの視野が非常に広がります.
ぜひ,本書を手元において,日々の学習のみならず,看護実践に役立ていただきたいと思います.
がん看護29巻4号(2024年7-8月号)より転載
評者●岡山幸子(宝塚市立病院看護部/緩和ケア認定看護師)
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