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[BOOKデータベースより]
スウェーデンの高齢者ケア研究の第一人者が、日本を含む東アジアの介護システムを比較。本書は、マクロレベルの抽象度の高い福祉国家論とミクロレベルの個別性の高い介護のモノグラフを架橋する、いわばメゾレベルの福祉社会学を志向した研究である。フルスペック型でサービスの種類が多い「バスタオル型」の日本の介護保険とは逆に、スペック限定型でサービスの種類が少ない「フェイスタオル型」の韓国の介護保険。この両国に加えて、税を財源に、心身障がい者を含めたユニバーサルな制度ではあるが、運用が複雑で独自性の強い台湾の介護システムを紹介。さらに、患者自主権利法に基づき、「豊かな死」の社会的基盤を整備する台湾の先進的な姿勢も紹介したうえで、その法律上の問題点にも言及する意欲作。
第1章 東アジアの高齢者ケアシステムを比較する意味
[日販商品データベースより]第2章 韓国の老人長期療養保険制度の諸相
第3章 韓国における在宅サービスとケアマネジメント
第4章 韓国の認知症ケアと高齢者虐待防止
第5章 台湾の長期介護システムの新展開
第6章 台湾におけるケアマネジメントの2元化と重層性
第7章 住み込み型外国人介護労働者の課題
第8章 台湾の認知症ケア
終章 東アジアの高齢者介護政策の未来
スウェーデンの高齢者ケア研究と紹介の第一人者が、日本を含む東アジアの介護システムを比較、
その課題を掘り下げる意欲作!
著者は、これまでスウェーデンの高齢者ケアについて福祉社会学の視点から研究を重ね、『スウェーデンの高齢者ケア』(2007年)と『揺れるスウェーデン』(2012年)を上梓してきた。この二冊で浮き彫りになったのは、先進的な福祉国家のイメージが強いスウェーデンの高齢者ケアシステムがもつ光と影であった。また、プロレタリア作家イーヴァル・ロー=ヨハンソンの著書『スウェーデン:高齢者福祉改革の原点』(共訳、2013年)の翻訳を通じて、1950年当時のスウェーデンの、高齢者を含む社会的弱者をめぐる残酷な状況を明らかにした。3冊とも新評論のお世話になっている。
そしてこの度、10年近くの歳月を経て、本書『東アジアの高齢者ケア』を世に問うこととなった。本書は、マクロレベルの抽象度の高い福祉国家論と、ミクロレベルの個別性の高い介護のモノグラフを架橋する、いわばメゾレベルの福祉社会学を志向している。アメリカの社会学者ロバート・キング・マートン流に言えば、中範囲の比較福祉社会学研究の試みである。
日本の介護保険は、フルスペック型でサービスの種類が多い「バスタオル型」である。韓国は逆に、スペック限定型でサービスの種類が少ない「フェイスタオル型」と言える。一方台湾では、税を財源に心身障がい者をも対象とする「ユニバーサル型」の介護システムが実施されているものの、運用が複雑で独自性が強い。本書ではこれらの国々の介護システムの全体像、そして要介護高齢者にとって最も重要なケアマネジメントのありようについて、その光と影を実証データに基づいて浮き彫りにする。加えて、各国が乗り越えるべき課題とその展望をも具体的に提示する。
本書は、一人の研究者が単独で行った、本邦初の比較介護政策研究である。さらに、患者自主権利法に基づいて、「豊かな死」の社会的基盤を整備する台湾の先進的な姿勢も紹介し、その法律上の問題点にも言及する意欲的な書でもある。(にしした・あきとし)