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[日販商品データベースより]
微生物学を「食品衛生を学ぶための基礎」と位置づけ,管理栄養士養成課程に特化して解説した微生物学のテキスト.必要最低限の内容をフルカラーの紙面と豊富な図表を用いてわかりやすく解説.病原微生物に関する記述はもちろん,食品微生物についても充実.「学習のポイント」で要点を押さえてから学習を進めることができ,初学者に最適!
【序文】
微生物は目に見えない生物で存在感に乏しいが,ヒトは実際には多種多様な微生物と共生している.生活環境においても無数の微生物が存在し,ときにわれわれに有用な活動を行い,ときに感染症の恐怖を知らしめる.微生物学はたいへん興味深い学問である.
大学においては,広い分野で微生物学の講義が行われている.医学,薬学,看護学,臨床検査学などでは,主に感染症が話題の中心であり,感染症の感染源から感染経路,診断,治療,予防など病原微生物について学ぶ.他方,農学,工学,理学などでは,微生物の性質,構造,機能や分類を理解し,遺伝子組換えなどのバイオテクノロジー技術を駆使した有用微生物や環境微生物を中心に学ぶ.同じ微生物学といっても学域によって求められる視点が異なっている.
このように考えていくと,管理栄養士や栄養士を目指す栄養系の学生諸君はどのような微生物学の学びが必要とされるのだろうか.食中毒をはじめとする食品を介した感染症,食品衛生に通じる微生物の取り扱い,発酵食品をはじめ食に貢献する有用微生物などの知識が求められる.たとえば,食物の「腐敗」は,一般に微生物が原因となって食品が「腐る」状態まで変質し,可食性を失った状態になることである.腐敗を防ぐためには微生物の増殖を抑えることが有効で,われわれは敵を知る(微生物のことを知る)必要がある.このように栄養系の学生に必要な微生物学の基礎をしっかり学ぶ専門の教科書が必要であると感じる.
本書は,「ゼロからわかる 栄養系微生物学」と題し,栄養系の学生諸君にとって必要な微生物学を吟味して,ぜひとも知っておいてもらいたい内容のみをコンパクトにわかりやすく系統立ててまとめた.各分野の専門家を章ごとに配するのではなく,実際に栄養系の微生物学を講義している著者2 名で執筆した.本書が栄養系を学ぶ学生諸君の一助となり,微生物学を系統立てて理解し,現場でおおいに役立てていただけることを願っている.
刊行にあたり,読者諸氏の忌憚のないご意見を賜り,新しい知見も加えながら,今後よりよい栄養系の教科書として発展させていきたいと切に願っている.最後に,本書の企画・刊行にご理解とご協力を賜った南江堂編集部諸氏に深く感謝申し上げる.
2021年7月
著 者