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[日販商品データベースより]
カントの哲学理念を受け継ぎ,知識学を通してその展開を試みたフィヒテは,無神論論争に巻き込まれ不本意にもイェーナ大学を辞した。シェリングの残るイェーナには,その後ヘーゲルが赴任した。彼はフィヒテとその前任者ラインホルトを批判し,シェリングとともに新たな思想史の革新を目指した。
フィヒテはその批判に抗して独自の思索を展開する。彼の知識学は,ラインホルトとシュルツェの論戦を批判する中で生まれた批判的論争的なものであった。
ベルリンに移ったフィヒテは自らの思想の深化と彫琢に努め,シェリングと新しい批評誌を構想しつつシェリングの同一哲学の欠陥を指摘する。そうした中で,フィヒテは自我を主題とする初期思想から,絶対者とその現象を主題とする中・後期思想に転じ,それはシェリングに影響を与え,シェリングとヘーゲルの差異をも示唆し,両者はやがて袂を分かった。後期シェリングの積極哲学やヘーゲルの「現象する絶対者」の着想は,フィヒテを抜きにしては理解できない。
カントに始まるドイツ観念論は,フィヒテ,シェリング,ヘーゲルによる直線的発展ではなく,相互批判を通して,各自の思想が深化・発展していく多面的過程として総合的に考察することが肝要である。本書はヘーゲル研究を踏まえて,フィヒテの一連の思索を詳細に分析,ドイツ観念論の新たな地平を示す意欲作。