[BOOKデータベースより]
歴史学の新しい主戦場は地域史だ!史料学の成果を地域史研究にどう生かすのか?執筆のほとんどは、小・中・高校で学校教育にたずさわっている現職教員。日本史論文集にして、学習教材。これからの地域史研究の参考に。
第1部 絵画史料を読む(再発見された「天神さま」 鎌倉公方の天神像;絵巻に描かれた信仰圏 『遊行上人縁起絵』の手取川;職人図像の変容 なぜ泥棒は風呂敷を背負うのか;像背墨書銘を手がかりに 前田利常の鬼子母神;肖像画の制作と修復 新発田藩主の肖像画;古写真のなかの英雄 肖像写真の胎動―久田佐助コレクション)
第2部 寺社縁起と奇談(再現される武家の故実 『赤淵大明神縁起』の誕生;由緒を創り出す家々 大野湊神社縁起の誕生;奇談にひそむ怪異の正体 夜の悪鳥・悪獣と女;在地に生き続ける英傑の記憶 忘れられた秀郷;地名に秘められた神仏のよすが 水犬の怪鳥退治―羽咋地名考;変容する聖地の夢と霊験 『江島五巻縁起』と仏牙舎利請来譚―慈悲上人良真と実朝の夢)
第3部 歴史史料の可能性(帳簿にみる民衆のたたかい 能登土田荘公用銭状の研究;近世寺院史料の集積過程 石動山史料と祈雨の記憶;合戦の勝敗を分けた天候 賎ヶ岳合戦の雪;系図という一族の物語 「額氏系図」を読む―金屋彦四郎家の記録;「家」を支えた互助システム 加賀前田家年寄の後見制―本多政和を事例に;茶屋街の近世と近代 東山の成立;書簡にあらわれた国家構想 橋本左内の「建儲」)
歴史学の新しい主戦場は、地域史だ!
地域には、これまで縦割りに区分され、歴史史料としてみなされることのなかった手つかずの史料が膨大に眠っている。史料学の成果を地域史研究に生かすということを軸に、若い執筆者たちがさまざまな史料と格闘して生み出した書。金沢大学の卒業生・修了生、大学院の修士・博士後期課程の在籍者・修了者らが執筆。執筆陣のほとんどは、北陸・東海地域の小・中・高校で学校教育に携わっている現職教員である。
これからの地域史研究の参考になることを目指すべく、史料撮影、教材研究、教材の作り方、郷土史研究と地域学習、卒論指導に関するコラムも備えた、かつてない日本史論文集。
編集は研究活動と同様、文化財調査・地域史研究に積極的に取り組んできた、黒田 智、吉岡由哲。執筆は、黒田 智、山野 晃、市河良麻、木村直登、岡田彩花、澤克幸、吉岡由哲、木村祐輝、竹内 央、土居佑治、木越隆三、澤由紀、河合 柚、鳥谷武史、村井淳志、山科建太、小川歩美、中山貴寛、宮下和幸、加護京一郎、林 亮太、西田夏希、森石 顕(執筆順)。
【本書は、大学教育の現場においても、学生の日本史論文の執筆などの際に参考図書となるだろう。各論文がもつ斬新な切り口は、研究視角や方法を見つけるための何らかの糸口になるやもしれない。本書はまた、学術的使命をもつ日本史論文集であるとともに、小学校から大学までの学校教育の現場に還元される教材でもあり、地域に根ざした郷土史研究、地域学習の教材としても活用されることを願っている。これから教師を志す若い人たち、学校教育の現場で悩んでいる教員の方々に、改めて学ぶこと、教えることの愉しさを実感してもらいたい。
さらに、教員養成のあり方、あるべき学校教員像に一石を投じる書となれば望外の幸せである。】……「草の根歴史学の未来へ」より
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