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[BOOKデータベースより]
マグロ・クジラ・サンマ…、海の資源をめぐって世界が騒がしい。しかしわれわれは、どれだけ魚について知っているのだろうか?不確実で変動する水産資源を持続的に利用するために、経済、地域、文化といったさまざまな価値観の中での科学のあり方を、日本発の「つくる漁業」の実例とともに考察する。
はじめに―生命科学と現代社会
[日販商品データベースより]序論 海の資源の持続的利用を考えるために
座談会1 不確実性の中での資源保護の将来像と科学のあり方
第1章 マグロ資源管理について考える
第2章 捕鯨の思想を探る―論争を読み解く
第3章 震災復興とエリアケイパビリティー
第4章 「つくる漁業」と食料安全保障
第5章 水産物の流通消費と水産資源
第6章 海洋における順応的管理とはなにか?
座談会2 海と陸の生物資源を考える
最近、海の資源をめぐって世界が騒がしい。
昨年、2018年は数年ぶりにサンマが豊漁であった。しかし、一転して2019年は記録的な不漁が伝えられている。五、六年前まではサンマは資源に余裕のある種のひとつであった。それが、中国をはじめとするアジア各国でサンマが食べられるようになり、外国漁船が大量に漁獲するために不漁になったと説明されてきた。しかし、昨年、今年とそのような状況が変わったわけではない。
「サンマは謎の多い魚」というのが最近の説明である。しかし、身近なサンマですら謎が多いとすれば、われわれ日本人は、どの位普段利用している水産資源について知っているのだろうか?また、現在の科学的知識はどの位水産資源の持続的利用に役立つのだろうか?
海の資源喪失の元凶がいわゆる獲りすぎ(乱獲)にあるという考え方が広く普及している。獲りすぎが資源に悪影響を与えることは確かであろうが、すべての海洋生物の資源減少が獲りすぎであるとするのは、現代科学から見れば常識からずれている。個体数を把握することさえ難しい海の生物を、陸の生物と同じように考えるのは無理があるし、一回の産卵で数千から数万の卵が生まれる種では、産卵場や生育場の環境変動が資源悪化の大きな要因になる。
本書は、マグロやクジラ、サンマなどの不確実で変動する海の資源を管理するという具体的な問題をテーマに、経済、国際交渉、地域、文化といったさまざまな価値観の中での科学=「不確実性の中の科学」を、日本発の考え方である「つくる漁業(栽培漁業)」の実例とともに考察していく。
さまざまな海の資源がその生態学的特徴と生まれ育つ環境の変化によって影響を受けることを考えると、本書の「人類は海洋資源を制覇できるか?」という問いは、科学技術の利用によって人類活動が地球全体のシステムまで変えてしまうようになった現代においては、「人類は生き残れるのか?」と裏腹の関係にあるように思える。