- 存在の一義性
-
ヨーロッパ中世の形而上学
知泉学術叢書 9
- 価格
- 7,700円(本体7,000円+税)
- 発行年月
- 2019年07月
- 判型
- B6変
- ISBN
- 9784862852977
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[BOOKデータベースより]
ドゥンス・スコトゥス(1265‐1308)の「存在の一義性」について、難解とされるテキストの忠実な翻訳と段落ごとに初学者向けの懇切な解説を付した画期的業績である。
第1巻第3区分 第1部 神の認識可能性―第一問題から第四問題(第一問題―神は認識されるか;第二問題―神は最初に認識されるか;第一問題についてのガンのヘンリクスの見解;第二問題についてのガンのヘンリクスの見解;第一問題へのスコトゥスの回答 ほか)
[日販商品データベースより]第1巻第8区分 第1部 神の単純性―第一問題から第三問題(第一問題―神の単純性;第二問題―被造物のうちに単純なものはあるか;第三問題―神は類の内にあるか;(異論)第二の極端な見解―神は類のうちにある)
ドゥンス・スコトゥス(1265-1308)の「存在の一義性」について,難解とされるテキストの忠実な翻訳と段落ごとに初学者向けの懇切な解説を付した画期的業績である。
スコトゥスとの関連で「存在の一義性」は必ず触れられるが,わが国のみならずヨーロッパにおいてもこの概念が正確に理解されることはほとんどないのが現状である。
ギリシア以来の形而上学の探求は,13世紀にトマスにより大きく展開されたが,14-15世紀の二世紀に及ぶ飢饉やペストの影響で社会や学問が衰退し,〈暗黒の中世〉として中世の学術文化は近代へと正当には継承されなかった。
そのためデカルトやカントによる近代哲学の形成という哲学史的認識が今日に至るまで定着し,『方法序説』や『純粋理性批判』の主題が,スコトゥスによる中世最後の形而上学ですでに扱われていたことは知られていない。
スコトゥスは「記憶」を個人的記憶である〈個別的な記憶〉と,知識を学ぶ〈学習済みの知〉(所有 habitus)に区別する。彼は前者の「わたし」によってのみ経験された個別事象の記憶こそが,知性に属する真正の記憶であるとして,知性の記憶・想起の論を展開,「存在の一義性」という独自の概念に到達した。哲学史上この種の記憶は感覚的なもので,知性には属さないと一貫して否定されてきたのである。新たなヨーロッパ学の扉を開く必読の書。