[BOOKデータベースより]
脳はいかにして複雑な感覚を処理し、精巧に身体を操るのか?計算理論/表現とアルゴリズム/実装の観点から、脳の理解に挑む“計算論的神経科学”(computational neuroscience)。運動制御・感覚処理の研究を中心に、その数学的基礎から分野の最前線までを概観。
第0章 計算論的神経科学―なぜ脳科学に計算論が必要なのか
第1章 身体運動の基礎―キネマティクス・ダイナミクス・座標変換、それらの脳内表現
第2章 決定論的最適制御―運動の背後に潜む最適化の計算原理
第3章 状態空間モデル―運動過程と観測過程のモデル化
第4章 最適推定―感覚入力からの外界再構成
第5章 確率論的最適制御―ノイズ下でも正確な運動を可能にする制御
第6章 強化学習―報酬に基づく運動学習
第7章 システム同定―運動適応過程のリバースエンジニアリング
第8章 次元縮約と成分分解―脳のなかの真の自由度
第9章 デコーディングとブレイン・コンピュータ・インターフェイス―脳の情報表現を読み取る
第10章 小脳の計算論モデル
脳はいかにして複雑な感覚を処理し,精巧に身体を操るのか?
その問いに計算理論/表現とアルゴリズム/実装の観点から挑むのが,計算論的神経科学(computational neuroscience)である.本書は運動制御・感覚処理の理論と実験を中心に,分野の成立当初から現代までの研究事例を多数紹介.計算論的神経科学の歩みと,脳の理解がどこまで来たのかを概観する.
計算論的アプローチに欠かせない制御理論,統計学,最適化数学,ニューラルネットワーク,信号解析といった数理的ツールについては基礎から解説し,どの分野の読者でも入門できるように配慮されている.
★推薦の言葉★
手が届かなかった理論と数式の意味が,次々と腑に落ちていく快感.脳と理論を知悉する著者の親身の指導を体験すれば,神経科学者は脳の理論の,理論家は脳の機能の,深い理解に到達するだろう.
――北澤茂(大阪大学教授,神経科学)
脳の計算論に関して最新かつ重要な研究がほぼ網羅されている.これだけ多くの重要概念をひとりで網羅できる筆者の博識に圧倒され,背後に見え隠れする研究哲学には感銘を受ける.認知神経科学・認知心理学の学生・研究者に広くおすすめしたい.
――今水寛(東京大学教授,心理学)
これこそ学際の教科書だ.制御理論と脳科学がどれほど深く繋がっているかをつぶさに見せてくれる好著.
――太田順(東京大学教授,ロボティクス)
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