- 笠女郎
-
すべて家持ひとりに宛てた恋の歌
コレクション日本歌人選 062
- 価格
- 1,430円(本体1,300円+税)
- 発行年月
- 2019年02月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784305709028
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[BOOKデータベースより]
「女性のつくった恋の歌としては最も優れたものだと、私は思っています」詩人・大岡信氏にそういわしめた鮮烈な二十九首。
託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり(巻三・三九五)
[日販商品データベースより]陸奥の真野の草原遠けども面影にして見ゆといふものを(巻三・三九六)
奥山の岩本菅を根深めて結びし心忘れかねつも(巻三・三九七)
水鳥の鴨の羽色の春山のおほつかなくも思ほゆるかも(巻八・一四五一)
朝毎に我が見る屋戸のなでしこが花にも君はありこせぬかも(巻八・一六一六)
我が形見見つつ偲はせあらたまの年の緒長く我も思はむ(巻四・五八七)
白鳥の飛羽山松の待ちつつそ我が恋ひ渡るこの月ごろを(巻四・五八八)
衣手を打廻の里にある我を知らにそ人は待てど来ずける(巻四・五八九)
あらたまの年の経ぬれば今しはとゆめよ我が背子我が名告らすな(巻四・五九〇)
我が思ひを人に知るれや玉櫛笥開き明けつと夢にし見ゆる(巻四・五九一)〔ほか〕
笠女郎−生没年、閲歴未詳。奈良時代の女流歌人。『万葉集』に29首の短歌が所収。その作すべてが大伴家持との恋の贈答歌であり、恋の始まりから終わりまでの諸相が詠まれている。家持は、笠女郎を女性としては愛さなかったが、その歌才は愛したといえる。そして笠女郎は、愛は報われなかったが、そのことによって豊饒の歌世界を永遠に遺すことになった。