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[BOOKデータベースより]
「政治学に於ける国家の概念」から「ノーマンを悼む」まで全61篇。激動の時代の中、思想史家からの応答。
1 戦中(政治学に於ける国家の概念 一九三六;シュミット「国家・運動・民族」―政治的統一体の三分肢 一九三九;務台理作「社会存在論」 一九三九;クロスマン「治者と被治者」 一九四〇;原田鋼「政治思想史概説」 一九四一 ほか)
[日販商品データベースより]2 戦後(近代的思惟 一九四五;西田長寿「大島貞益」 一九四六;明治国家の思想 一九四六;ラッセル「西洋哲学史」(近世)を読む 一九四六;何を読むべきか 一九四六 ほか)
〈今日「日本」イデオロギーと封建的反動との結合はほとんどアプリオリであるかにみえる。……日本主義の思想と運動も、大正から明治へと遡つてゆくと、最近の日本型ファシズムの実践と結びついた段階とはいちじるしくちがつた、むしろ社会的役割において対蹠的といいうるほどの進歩性と健康性をもつたものにゆき当たるのである。明治20年代の日本主義運動がそれであり、その最も輝けるイデオローグの一人がここに叙べようとする陸羯南である。〉
(「陸羯南――人と思想」)
大学時代に書いた懸賞論文「政治学に於ける国家の概念」(1936年)から、「E・ハーバート・ノーマンを悼む」(1957年)までの論稿集。日中戦争、第二次世界大戦、戦後占領下へと激動の時代に、政治思想家の視点から応答する。戦中に、福沢諭吉における個人と国家の関係を再考した「福沢諭吉の儒教批判」「福沢に於ける秩序と人間」、終戦直後に、徳川時代の思想史に近代化を探ろうとした「近代的思惟」、レッド・パージなど「逆コース」下の政治状況を描く「恐怖の時代」など、全61篇。誇大な○○イズム、○○主義を排し、ナショナリズムと民主主義を考え抜いた、珠玉の批評。