[BOOKデータベースより]
第1部基礎編と第2部応用編を、密な相互参照で結びつける―前半と後半で関連する箇所を相互に結びやすいよう、多数の参照をカッコで示しました。多数の「側注」で、術語の意味・由来・変遷などを解説する―学術用語を「側注」の形にまとめ、本文の流れはスムースに保ちました。多彩な図表とイラストで、視覚的な理解を助ける―多彩でしかも統一のとれた図表と、感覚的になじみやすいイラストや写真を多用しました。
第1部 基礎編―分子遺伝学のセントラルドグマ(遺伝学の基礎概念―トンビはタカを生まない;核酸の構造とゲノムの構成―静と動のヤヌス神;複製:DNAの生合成―生命40億年の連なり;損傷の修復と変異―過ちを改める勇気;転写:RNAの生合成―格納庫から路上ライブへ ほか)
第2部 応用編―ヒトゲノム科学への展開(発現調節(ヒトなど動物への拡張)―複雑系の重層的秩序;発生とエピジェネティクス―メッセージが作る身体;RNAの多様な働き―小粒だがピリリと辛い;動く遺伝因子とウイルス―越境するさすらいの吟遊詩人;ヒトゲノムの全体像―ジャンクな余裕が未来を拓く ほか)
本書は、遺伝子研究の成果を、分子遺伝学の基礎からゲノム科学の応用まで、一貫した視点で解説した教科書である。これらの研究全体の蓄積は膨大なため、多くの大学カリキュラムではいくつもの科目に分割されている。この分割が避けがたい原因には、地味でウェットな大腸菌の遺伝学と派手でドライなヒトゲノム学との毛色の違いという問題もあり、両者の滑らかな接続はかなり困難な課題である。しかし、ほかにも多くの科目を同時に学ぶ必要のある今どきの学生や、知的好奇心は旺盛ながら忙しい現代人には、この課題を克服した教材が必要であろう。
そこで本書では、遺伝子研究の基礎から展開までシームレスにまとめるため、下記の3つの工夫をし、理解の助けとした。
1)第T部 基礎編と第U部 応用編を密な相互参照で結びつける。
前半と後半で関連する箇所を相互に結びやすいよう、多数の参照をカッコで示した。そもそも基礎から応用までを一冊に収め、単著で一貫させたことも、滑らかな接続に寄与している。
2)多数の「側注」で術語の意味・由来・変遷などを解説する。
歴史的事情から、遺伝学には多義的な学術用語も少なくない。また、生命科学の他領域との関連も深く、脇道にそれてでも解説すべき用語がたくさんある。それらを「側注」の形にまとめ、本文の流れはスムースに保った。
3)多彩な図表とイラストで視覚的な理解を助ける。
DNA分子は小さく、遺伝子概念は抽象的なため、初学者にはわかりにくい落とし穴もたくさんある。多彩でしかも統一のとれた図表と、感覚的になじみやすいイラストや写真を多用し、その問題点の克服に努めた。
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