- 言葉の魂の哲学
-
- 価格
- 1,980円(本体1,800円+税)
- 発行年月
- 2018年04月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784062586764
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[BOOKデータベースより]
言葉が表情を失うことがある。たとえば、「今」という字をじっと見つめ続けていると、文字がたんなる線の寄せ集めに見えてくる。「ゲシュタルト崩壊」といわれる現象だ。本書は、中島敦とホーフマンスタールの二編の小説からはじまる。いずれも「ゲシュタルト崩壊」を扱った作品だ。そのうえで、ウィトゲンシュタインの言語論を検証し、カール・クラウスの言語論を考える。「生きた言葉」「魂ある言葉」を考える清新な哲学―。
第1章 ヴェールとしての言葉―言語不信の諸相(中島敦「文字禍」とその周辺;ホーフマンスタール「チャンドス卿の手紙」とその周辺;まとめと展望)
[日販商品データベースより]第2章 魂あるものとしての言葉―ウィトゲンシュタインの言語論を中心に(使用・体験・理解;言葉の立体的理解;「アスペクト盲」の人は何を失うのか;「言葉は生活の流れなかではじめて意味をもつ」)
第3章 かたち成すものとしての言葉―カール・クラウスの言語論が示すもの(クラウスによる言語「批判」;言葉を選び取る責任)
【2019年サントリー学芸賞受賞(思想・歴史部門)】
中島敦の小説「文字禍」、ホーフマンスタールの小説「チャンドス卿の手紙」。この二つの作品に描かれたいわゆる「ゲシュタルト崩壊」、すなわち、文字が意味や表情を失って見える現象をてがかりに、ウィトゲンシュタインの言語論に新しい視座を与え、カール・クラウスの言語論に、すぐれて現代的な意味を見出す。清新な言語哲学の登場!
言葉が表情を失うことがある。たとえば、「今」という字をじっと見つめ続けたり、あるいは、「今、今、今、今、今、今・・・」と延々書き続けたりすると、なじみのあるはずの言葉が突然、たんなる線の寄せ集めに見えてくる。一般に、「ゲシュタルト崩壊」といわれる現象だ。
逆に、言葉が魂が入ったように表情を宿し、胸を打つようになることがある。こういう現象を、どうとらえたらいいのだろうか。魂のある言葉とは、どのようなものか。
本書は、中島敦とホーフマンスタールの二編の小説からはじまる。いずれも、「ゲシュタルト崩壊」をあつかった作品である。
ついで、ウィトゲンシュタインの言語論を検証する。かれが「魂なき言語と魂ある言語」といったとき、どのような哲学が展開されるか。
そして、最後に、カール・クラウスの言語論を考える。
生涯をかけて、言語批判をつらぬいたクラウスの思想とは、どのようなものだったか。
それは、「常套句に抗する」ことで、世の中をかえようとする試みでもあった。
以上の三つの核によりそいながら、「命ある言葉」とはなにかを哲学する力作。