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[BOOKデータベースより]
自然法則に支配され、運に翻弄されているかに見える人間。意のままにならないこの世界で、我々はどこまで自由なのか。「私」という不完全な行為者の意志、責任、倫理を問う。
第1章 行為の意図をめぐる謎(「手をあげる」‐「手があがる」=?;出来事を引き起こす心の働きとは何か?;意図をめぐる問題―そもそも意図とは何か? ほか)
[日販商品データベースより]第2章 意図的行為の解明(意図と信念の諸特徴;心をめぐる「一人称権威」は何を意味するのか;心の「隠蔽説」を超えて ほか)
第3章 行為の全体像の解明(意図性の薄い行為―やむをえない行為、他人からの強制に従う行為;意図せざる行為1―「悪質な過失」について;意図せざる行為2―「純然たる過失」について ほか)
エピローグ 非体系的な倫理学へ
◆倫理的思考の故郷へ
サンデル教授の公開講義ブームに始まり正しい行為とは何かを問う哲学書が人
気です。こうした本では以下のような極限的事例が議論されます。「列車が暴
走し線路上に立つ5人を轢かんとしている。ただし、眼前のレバーを引けば列
車は1人しか轢かない別の線路へと入る。引くべきか否か、その選択はどんな
理論で正当化されるのか……」。しかし、ジレンマに陥った中での苦渋の選択
というものから、倫理について多くを学べるのでしょうか。我々の目指すもの
は、こうした状況で躊躇せず正しい行為を選び取れる、ということではないの
ではないでしょうか。筆者は、我々の理解から乖離しない倫理の解明に向けて、
自由意志の有無、意図と行為の関係、さらには義務や責任と運との関係といっ
た「行為」の深い謎へと切りこみます。ままならぬ世界で不完全な道徳行為者
として生きる人間の核心に迫る哲学入門書。著者は新潟大学准教授。