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[BOOKデータベースより]
学ぶ人生の構えをつくれば、気質も、人生も、変えることができる。儒学者・佐藤一斎が40年あまりにわたって書き綴った語録で、指導者のバイブル。西郷隆盛や吉田松陰、坂本龍馬らが心酔した書としても知られている。
第1章 結果を出すには働き方を変える―仕事力(結果は準備がすべて―事を慮るは周詳ならんことを欲し、事を処するは易簡ならんことを欲す。(言志録26);試されるのは調べる力―博聞強記は聡明の横なり。精義入神は聡明の竪なり。(言志録144) ほか)
[日販商品データベースより]第2章 考えて動けるチームを作る―リーダー力(情熱の矢となれ―我れ自ら感じて、而る後に人之れに感ず。(言志耋録119);心をつかむ話し方―人の言は須らく容れて之を択ぶべし。拒む可からず。(言志録36) ほか)
第3章 学びを無駄にしない―学習力(人生はいつでも学びに満ちている―少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。(言志晩録60);流されないための軸を作る―太上は天を師とし、其の次は人を師とし、其の次は経を師とす。(言志録2) ほか)
第4章 人とのちょうどいい距離感―人間関係力(上機嫌はたしなみ―春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む。(言志後録33);人とは音楽のように調和する―気導いて体随い、心和して言順わば、挙手投足も、礼楽に非ざるは無し。(言志耋録60) ほか)
第5章 悔いのない生き方―人生力(人生は選ぶことの繰り返し―已むを得ざるに薄りて、而る後に諸を外に発する者は花なり。(言志録92);自己肯定感を持て―君子は常に吉にして、小人は常に凶なり。(言志録202) ほか)
「知識」の朱子学と「実践」の陽明学、
その両方を極めた佐藤一斎からの
極めて具体的かつ実用的な人生指南。
『言志四録』は、西郷隆盛や吉田松陰、坂本龍馬らが心酔した書ですが、お世辞にも広く知られている本というわけではありません。
しかし、この本は、昌平坂学問所の塾長を務めた儒学者の佐藤一斎(1772〜1859)が40年あまりにわたって書いた語録で、指導者のバイブルと言われる名著です。昌平坂学問所とは、江戸幕府直轄の教育機関で、高杉晋作や佐久間象山らが学んだ場所。今で言うと、大学にあたるでしょうか。佐藤一斎の門下には数千人が学んだと言われています。
佐藤一斎の専門は朱子学ですが、その広い見識は陽明学にまで及んでいたと言われています。当時の江戸幕府による官学は朱子学ですが、佐藤一斎は、朱子学より実用的な陽明学を門下生に教えていたため、この名が付けられたとか。実用性が大切にされるのは、いつの時代も変わりません。そして、『言志四録』には佐藤一斎の幅広い見識と実用的なアドバイスが詰まっているのです。
『論語』と違って『言志四録』は、それほどたくさん解説本が出ていません。理由は明らかで、ただただ知られていない、ということに尽きます。しかし実際に読み込んでいくと、『論語』以上の面白さがあると私は感じます。実用主義と言えるほど、とにかく日々の生活に直結する大事なことが書かれています。
佐藤一斎が大事にしていたのは、「自分で決める」(選択する)ことだと、私は思います。人生は、自分で決めることの連続です。朝、食べるものから、着るもの、仕事の仕方、人との関わり方、そして自分との関わり方――。日々、膨大な量の選択を私たちはしていますが、あまり考えていなかったり、適当に決めていたりすることがあります。しかし佐藤一斎は、どんなときでも「自分で決める」ことを大事にしていました。
「自分で決める」ということは、自分の人生に責任を持つ、ということです。どんな小さなことでも自分で決める。そしてその結果は、きちんと引き受ける。それができてこそ、一人前と言えるでしょう。そうすれば、何か起こっても他人のせいにすることなく、自分のこととして解決できる。また、精神的にも“自分で決めたことだから”と、スッキリします。
また、どんな状況になってもへこむことなく、嵐がおさまるのを待って動き出すようにと、繰り返し言っています。
私たちは悪い状況になると、そこから逃れたくてつい無駄な動きをしてしまいがちです。しかし、それは大きな間違いで、動くと事態はかえって悪化することが多いのです。そういったときは、すべきことを淡々とし、嵐が過ぎるのを待つ。嵐の中でも少しは状況がよくなるときがあります。そのときに、力を入れ、物事を自分に引き寄せるのです。
長い人生、自分の思うようにならないときがあるからこそ、そのときを上手に使っていきたいものです。
(本書の「はじめに」「おわりに」から再構成しています)