[BOOKデータベースより]
かつて松下電器にはソニーに匹敵する自由なる研究所があった。1986年に入社した私は、その音響研究所に配属され栄光のブランド「テクニクス」の様々な発展形の技術・商品を開発する。人には大切な「音の記憶」がある。その感情を技術が喚起する。そんな商品をめざし、うちこんだ青春の日々は、8年目でプロジェクト解散、配置転換で雲散霧消したかに見えた。失意の中で始めたジャズ・ピアノで世界的な評価を受ける。「君はパナソニックのトップにはなれないが、プロとしては成功する」そうアメリカのプロデューサーに言われ、心は揺れるが…。日本の会社で働く全ての女性に贈る働くこと、愛すること、継続すること。
音の記憶
全ての生き物にはリズムがある
就職まで
自由なる研究所
汐留の輝ける青春
失意のプロジェクト解散
オール・ユー・ニード・イズ・ジャズ
二足のわらじ
愛こそ全て It’s All About Love
松下幸之助が教えてくれたこと
テクニクス復活プロジェクトに懸ける
ベルリンでの復活宣言
幻のターンテーブルSL−1200
女性が欲しくなる「オーディオ」で未来を拓く
若い人へのレッスン
◆パナソニック女性役員の手記◆
日本の会社で働く全ての女性に贈る
働くこと、愛すること、継続すること。
かつて松下電器にはソニーに匹敵する自由なる研究所があった。
1986年に入社した私は、その音響研究所に配属され
栄光のブランド「テクニクス」の様々な発展形の技術・商品を開発する。
人には大切な「音の記憶」がある。その感情を技術が喚起する。
そんな商品をめざし、うちこんだ青春の日々は、
8年目でプロジェクト解散、配置転換で雲散霧消したかに見えた。
失意の中で始めたジャズ・ピアノで世界的な評価を受ける。
「君はパナソニックのトップにはなれないが、プロとしては成功する」
そうアメリカのプロデューサーに言われ、心は揺れるが……。
【目次】
■序章 音の記憶
二〇一四年九月ベルリン。私は消えたブランド「テクニクス」復活をパナ
ソニックの責任者として宣言した。この本では、私が「会社員として」
「ピアニストとして」二足のわらじで、いかに音に懸けてきたかを語りたい
■第一章 全ての生き物にはリズムがある
母親のお腹の中で聴いた『赤い靴』と『春よ来い』。なぜこれらの曲が特
別な感情を呼び起こすのだろう。理工学部へ進学した私は、聴覚や生体の
リズムを研究する。そして就職を考える中、運命的な一本の論文に出会う
■第二章 就職まで
「これからの時代は違うんちゃうかなあ」。松下電器で音響の仕事がしたい
と会社訪問すると大学の先輩から「志望業界を変えなさい」と諭された。C
Dなどデジタルオーディオが誕生し、音響事業は激変の時を迎えていたのだ
■第三章 自由なる研究所
それでも松下電器を選んだ私は念願通り「音響研究所」に配属された。
「感性を活かし世の中にないものを作りなさい」という所長小幡修一のもと、
金管楽器型スピーカー、超薄型スピーカーとユニークな製品を生み出す
■第四章 汐留の輝ける青春
ウィーンのオペラ座に採用された超薄型スピーカー。世界的な評価を得た
技術を使って住空間を変えるプロジェクトが始まった。壁一面スピーカー
という前代未聞のホールづくりは、二〇代を懸けるに相応しい挑戦だった
■第五章 失意のプロジェクト解散
三〇歳のとき転機が訪れる。全速で走ってきたプロジェクトが一瞬にして
終わったのだ。薫陶を受けてきた所長の小幡も去った。会社を辞めようか
と悩んでいると上司の木村陽一から誘われた。「ジャズ、やってみないか?」
■第六章 オール・ユー・ニード・イズ・ジャズ
曽根崎の老舗ライブパブ、ピアノとドラムだけのデュオで初舞台を踏んだ。
仕事をしながら毎月のステージに立ち、ジャズにのめり込んだ。七年後、
本場米国での国際ジャズフェ
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