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[BOOKデータベースより]
「防人歌」とは誰によって詠まれ、どう捉えるべきなのか、その「構造」を明らかにし、学界の定説に挑む。防人歌作者名表記等を詳細に分析することにより、防人歌とは、防人集団の中で役職に就く上層階級の身分の者の歌であると結論付け、防人歌蒐集の目的を当時の国際状況にまで広げて考察する。その上で各国の防人歌を一つの歌群として位置付けつつ、その歌群から、部領使が家持に進上した際の、拙劣歌削除前の「防人歌群」の痕跡を辿り、防人歌の場を追究する。
第1部 防人歌の作者層と主題(防人歌作者名表記の方法;常陸国防人歌における進上歌数の確定;防人歌における「父母思慕の歌」の発想基盤;防人歌における「殿」の諸相;防人歌における「妹」の発想基盤;防人歌作者層の検討;防人歌における「個」の論理;大伴家持防人歌蒐集の目的ならびに意義)
[日販商品データベースより]第2部 防人歌群の歌の場と配列(防人歌「駿河国・上総国歌群」の成立;下野国防人歌群における配列方法と歌の場;「布多富我美悪しけ人なりあたゆまひ」―下野国防人歌・四三八二番歌における新解釈;常陸国防人歌群の成立;武蔵国防人歌群の構成―「昔年防人歌」との比較)
「防人歌」とは誰によって詠まれ、どう捉えるべきなのか。防人歌とは防人集団の中でも上層階級の者の歌であると結論付けた上で、各国の防人歌を歌群として位置付けし、形成を論じる一書。