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★プロ書店員レビュー★
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新しい時代に相応しい出版流通のすがたとは。
本は、著者→出版社→取次→書店→読者と、書き手から読み手に届けられる。このしくみ全体を出版流通と呼ぶとして、これがいま制度疲労を起こしていると繰り返されてきた。要は、毎日発売される「雑誌」を全国の書店=読者に届けるしくみとして整備された戦後日本の出版流通システムが、雑誌不況の時代において、変化対応を迫られている。事実、出版物全体のうち、いわゆる「本」の売上は下げ止まりつつあるが、「雑誌」の低迷は今後も続くと予想されている。それは、インターネット以後の情報革命による構造的な変化だ。では、新しい時代に相応しい出版流通のすがたとは、いかなるものか。出版社、取次、書店の各セクションから論客が集まり、いわば「出版流通の構造改革」をテーマに話し合った11時間強の座談会は、業界紙の編集長から紹介されたドイツの事例をひとつの重要なヒントとしながら、具体的なアクションへと展望を開いて終わる。
レビュアー:野上由人 / リブロ / 男性 / 40代
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[BOOKデータベースより]
シンプルに本をつくりシンプルに売っていくしくみを地方都市・福岡で考えた。本と本屋を求めるこれからの読者のために。書店・取次・出版社の業界三者集合!「ブックオカ」計11時間の議論再録。
第1部 本と本屋の未来を語る車座トーク1日目。限りなく不透明に近い出版流通を打ち破るカギはどこに!?(1日目のテーマは「ふしぎなふしぎな出版流通」;「ベストセラーはおいてません」 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 車座トーク2日目。前向きで前のめりな面々と街に本屋が生き残っていくためのヒントを探る。(二日酔いの朝に、なぜ日本でこんなに本屋が消えていくのかを考える;「取次は幕末の幕府みたいなもの」 ほか)
第3部 本屋のある街を増やしていくためにわれわれに何ができるのか。そんな課題を胸に僕たちは本と本屋の未来を探す旅に出た。(トランスビュー代表工藤秀之さんに聞きました。九州のような地方も含めこれからも本屋が生き残るための新しい出版流通ってどんなものでしょう?;『文化通信』編集長星野渉さんに聞きました。ドイツで業界の壁を越えた改革が実現できたのはなぜでしょう? ほか)
第4部 長い旅の締めくくりは、九州の若手書店主にロックオン。本と本屋の未来を、地元目線で考える。(長崎書店社長長崎健一さんに聞きました。地方に生きる書店として長崎さんが大切にしてきたこと、そして未来に向けてのビジョンを聞かせてもらえますか?;「寄稿」本棚の向こうの青空 岩尾晋作(カモシカ書店店主))
本を売る・つくる仕事はなぜこんなに面白いのに、ネガティブな話題が多いのか。書店・取次・出版社の現場を知る面々が素朴な疑問から出発しつつ、構造的な問題を徹底的に“明るく”“未来に向けて”話し合った。2日間、計11時間にわたり、熱い議論を繰り広げた車座トークの内容に、新しい動きを実践する方々のインタビュー・寄稿を加えた、提言の書。
未来は地方で考える。もっとシンプルに、あたりまえに本を売りたい皆さんへ。流通の再設計と出版社の意識改革で、まちに開こう、オモロイ本屋を!
<車座トークに参加した方々>※敬称略
・スタンダードブックストア 中川和彦
・ブックスキューブリック 大井実
・本屋Title 辻山良雄
・文化通信 編集長 星野渉
・トランスビュー 工藤秀之
・ウィー東城店 佐藤友則 ※ゲスト
・トーハン 水井都志夫
・日販 小野雄一
・丸善博多店 徳永圭子
・弦書房 野村亮
●進行
・忘羊社 藤村興晴
・西日本新聞社 末崎光裕
<特別インタビュー・寄稿>
・トランスビュー 工藤秀之
・・文化通信 編集長 星野渉
・H.A.Bookstore 松井祐輔
・ツバネ出版流通 川人寧幸
・ミシマ社 三島邦弘
・カモシカ書店 岩尾晋作
・長崎書店・長崎次郎書店 長崎健一
・ブックスキューブリック 大井実