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- 不安定核の物理
-
中性子ハロー・魔法数異常から中性子星まで
基本法則から読み解く物理学最前線 8
- 価格
- 2,200円(本体2,000円+税)
- 発行年月
- 2016年03月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784320035287
[BOOKデータベースより]
第1章 はじめに:原子核、不安定核、そして宇宙
第2章 原子核の限界
第3章 不安定核を作る
第4章 中性子ハロー
第5章 不安定核の殻進化―魔法数の消失と出現
第6章 中性子過剰核で探る中性子星
第7章 結び―不安定核物理の展望
不安定核物理を理解するための入門書。原子核物理の知識がなくても、文字通り基本法則から読めるように配慮した。中性子ハローと魔法数の異常については、それぞれ章を設けて、最新の研究の状況を紹介した。
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我々自身や我々をとりまく物質はどうやって生まれてきたのであろうか。 この疑問を解く1つの鍵が原子核でありその中でも最近とりわけ注目されているのが本書のテーマ「不安定核」である。 不安定核とは身近にある安定核に比べ中性子数が陽子数よりも多い(少ない)ため寿命が短く天然には存在しない原子核のことである。 多くの不安定核は超新星爆発や中性子星合体などの宇宙における高エネルギー天体現象において瞬間的に存在したと考えられていて我々の世界の多様な物質を作る1つの要因になったとされる。
最近中性子と陽子の数をコントロールして不安定核を効率よく加速器で生成する技術が進みその研究は新たな局面を迎えつつある。 特にさまざまな不安定核ビームの実験によって「中性子ハロー」や「魔法数異常」のような安定核には見られない特異構造の理解が進んできた。 中性子ハローとは数個の中性子が通常の原子核密度をもつ固いコアを取り巻くように非常に希薄な密度で大きく拡がっている状態のことである。 巨大な半径やハローとコアの二重構造など安定核にはない性質を持っている。 一方原子核には殻構造があり中性子数陽子数が「魔法数」(2820285082126)のとき原子核は特に安定になるとされてきた。 魔法数は不安定核にも普遍的に存在すると考えられていたがある種の不安定核では消失し一方別の不安定核には新魔法数が出現するという魔法数の異常が見いだされその研究が進んでいる。こうした不安定核特有の性質は元素合成過程にも大きな影響を及ぼすと考えられている。
本書は不安定核物理を理解するための入門書である。 原子核物理の知識がなくても文字通り基本法則から読めるように配慮した。中性子ハローと魔法数の異常(消失と出現)についてはそれぞれ章を設けて最新の研究の状況を紹介した。 また宇宙物理との関連では中性子星物質に関する章を設けた。 この章は「中性子星核物理入門」とでも言うべき内容になっている。それぞれの章はある程度独立しているので読者の関心や背景知識に応じて選んで読むこともできるようになっている。